第18話

☀︎18
145
2018/12/04 09:15
バシュッ!!
ピ────!
審判
ゲームセット!22対9でB組Bチームの勝利!
《ありがとうございました!》
女子1
やった〜!2回戦突破!
女子2
もう…静ちゃん、強すぎ!
立夏
圧勝だね!静ちゃん!
…あと2回で優勝…か
女子3
もしかしたら、優勝いけるんじゃない!?
この学校の2年生は、特進科1クラスと普通科5クラスの計6クラスがある。

今回の球技交流会は普通科のみで行われている。(何故かは知らんが)

2年生のバスケは、1試合10分、1チーム5人という至って普通のルールだ。
私たちB組Bチームは、ついさっき行われた初戦を無事突破。続いて2回戦で当たったE組Aチームをくだし、準決勝へと進んだ。

他のブロックでもB組は着々と勝ち上がっていて、もしかしたら、決勝でB組対B組の戦いが見られるかもしれない…と期待している。
咲良
静ちゃーん!立夏〜!
…咲良ちゃん
体育館のステージ上にいた咲良ちゃんが駆け寄ってきた。
咲良
2回戦突破おめでとう!
…ありがとう…咲良ちゃんは勝てた?
咲良
ん?初戦敗退だよ♪
…そんな軽く言っちゃっていいのかな…
咲良
…だってー…戦ったC組Aチームには、優奈ちゃんの次に強いって言われる…
優奈
あ、いっちゃんのこと?
…いっちゃん?
突然現れた優奈に驚きつつ、“いっちゃん”が誰なのか気になったその時────
???
あら、呼んだ?
優奈
お!いっちゃん!
典型的な現れ方で、長身の美人さんが現れた。
…この人がいっちゃん…さん?
優奈
うん!本名、杉田 伊織。バスケ部だよー
伊織
…雑な説明をどうも、優奈。本名は、『杉下』スギシタ伊織イオリです。よろしく
…ど…どうも…
私はペコっとお辞儀した。

杉下さんは私をギロっと睨みつけた。
伊織
…あなたが、月影さん?
…はっ、はい…
[ふ────────────ん…]
た、タメが長いよっ…杉下さんっ…

私はビクビクしながら彼女を見つめた。

すると、私から視線を外し、優奈を睨んだ。
伊織
…優奈より強い子がいるから期待してたのに…こんな子だったなんてね。がっかりよ
………っ!
私は立ち尽くしてしまった。

そう言った彼女に、優奈が静かに言い放つ。
優奈
…いっちゃん、それは失礼だよ。静に謝りな
伊織
…ふん。次の試合で月影さん達が私たちに勝ったら、考えてあげてもいいわよ
杉下さんはそう言い捨てると、チームの元へ戻っていった。
立夏
次の試合って…
咲良
…C組AチームとB組Bチームが準決勝で当たるみたいだね…
優奈
ああ…いっちゃんの負けず嫌いは、今に始まったことじゃないからなあ…
…そうなんだ…
私は、颯爽と去っていった杉下さんの背中を見た。

…確かに、意志が強そうな目をしていたかもしれない。

私は嫌な予感がして、身を震わせた。

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