第2話

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2018/05/06 12:19
がやがや騒ぐ集落の
うるさい酒場でそれを知った
【街外れのその森に】
【隠れ住む一人の少女】
【その姿を見たものはどんな願いもひとつだけ叶う】
【その少女の一部を喰くせば】
【どんな願いも無限に死ぬまで叶う】
ネモート
つってもなぁ
ネモート
みんな見た事ねぇんだよ
アタカミ
そうなんですか
ハマト
見に行ったやつ
全員死んじまってるもんなぁ!
ネモート
あはは…迷信だろ?
ネモート
向こうは骨一本残さない
ハマトさんとネモートさんが
二人で話し出した時、僕は外へ向かう
うるさい騒ぎ声と
臭い酒の匂い
ここは人が多すぎる…
胸糞悪い。気持ち悪い
願いなどない
一つも。
ただ旅をして、なにかを探すだけ
それだけの人生
うるさい場所から離れたくて
森の中へ入る
静かで冷たい風が頬を撫でる
森の奥の方へ進むに連れ
風は強く迎え出る
もっと。もっと…もっと!
アタカミ
こ…こは?
気がつくと夜なのに日が差して
すごく暖かい場所に来て居た
一軒の家が視界を遮る
その前には湖があってそこには…
とても…綺麗な少女が居た

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