初日の練習が終わり、テツと帰っている途中
なんだか無性にストロベリーシェイクが飲みたくなった
というわけで2人でいつも行くマジバへと足を運んだ
お互いシェイクを頼み、いつもの席へ椅子を並べて座った
チューとバニラシェイクを口に含みながらそう言った
確かに、今日はもう一生分喋ったかもしれない
中学の時とは違って馴染めそう
……まぁでも、中学の時も2年の途中までは上手くやれてたけど
今日1日練習に参加して、
やはり私では、私だけではどうにもならないと思った
さつきちゃんありきの、私の力だった
誰がそんなことない、と言えども
私はそんなことあるとしか思えなかった
沈黙が続き、これ以上は話しても仕方がない
ただ無心にシェイクを飲み続けた
それはテツも同じで、シェイクを飲みながら人間観察をする
私も一緒になって人間を眺めた
注文をしている人の方へ目を向けると、
見覚えのある人がいた
随分と大量に買ってるな……
大家族なのかな
なんて思いながら見ていると、バーガーを抱えてこちらにやってきた
そして私たちに気がついていないのか、私たちの目の前にドカッと座った
少しして気がついたのか、私たちの方をみて大袈裟に驚いた
テツが火神くんに対応してる中、山積みにされたバーガーを眺めながらシェイクを口に含んだ
お腹すいてるからってこんなに入るか普通?
良かった、まだ死なないらしい
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。