体育館へ着くと既に上級生は来ているみたいで、
みんな大きいしガタイが良い……
優しい笑みを浮かべ、頭を撫でてくれるテツ
やっぱ、テツがいれば大丈夫な気がする
そうすれば絶対見つからないし
うん、これなら行ける
体育館で待っていると、1人の女性がみんなの前に立った
マネージャーさん、いたんだ
じゃあ私必要ないじゃん…………
テツの後ろからちょこっとだけ顔を出し見てみるけれど、明らかにここの生徒さん。
生徒さんが監督やってるってどういうこと?
てっきりよぼよぼのおじいさんが監督だと思ってた
………………この人監督で大丈夫なのかな
それぞれ服を脱ぎ、監督さんは体をまじまじと見ていく
どうやら見ただけで能力値が分かるらしい
目、良いんだな。
…………やっぱ見つかってない私たち
目の前にいるのにな
監督さんの前に立ってそう言うと、彼女は大袈裟に驚いた
ずっといたのにな…………
まぁそれが私たちだけど
というか私の存在まだ気づいてないけど
そう指をさされたので、ゆっくり顔を出すと、先程のように驚かれた
…………びっくりするからやめてほしい
なにか挨拶するべきなのは分かっているけれど
緊張してしまい言葉が出てこない
中学の時も、みんなと何とか話せるようになったの2年生になってからだし……
先は長いです
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。