第3話

2話
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2022/09/09 08:13


黒子 あなた
て、テツ……私場違いじゃないかな……



体育館へ着くと既に上級生は来ているみたいで、




みんな大きいしガタイが良い……




黒子 テツヤ
大丈夫です、場違いなんかじゃない
黒子 テツヤ
僕たちは中学の頃あなたに助けられていましたから



優しい笑みを浮かべ、頭を撫でてくれるテツ




やっぱ、テツがいれば大丈夫な気がする




黒子 あなた
テツの後ろ隠れてく



そうすれば絶対見つからないし




うん、これなら行ける






















よーし、全員揃ったなー



体育館で待っていると、1人の女性がみんなの前に立った




マネージャーさん、いたんだ




じゃあ私必要ないじゃん…………




相田 リコ
男子バスケ部監督、相田リコです
よろしく!
黒子 あなた
か……かんとくさん……だったんだ……



テツの後ろからちょこっとだけ顔を出し見てみるけれど、明らかにここの生徒さん。




生徒さんが監督やってるってどういうこと?




てっきりよぼよぼのおじいさんが監督だと思ってた




相田 リコ
じゃあまずは
相田 リコ
シャツを脱げ



………………この人監督で大丈夫なのかな




それぞれ服を脱ぎ、監督さんは体をまじまじと見ていく




どうやら見ただけで能力値が分かるらしい




目、良いんだな。




相田 リコ
黒子くんてこの中にいる?



…………やっぱ見つかってない私たち




目の前にいるのにな




相田 リコ
今日は休みみたいね
いーよじゃあ練習始めよう!
黒子 テツヤ
あの、すみません
黒子 テツヤ
黒子は僕です



監督さんの前に立ってそう言うと、彼女は大袈裟に驚いた




ずっといたのにな…………




まぁそれが私たちだけど




というか私の存在まだ気づいてないけど




相田 リコ
あ、えっと……マネージャー希望の黒子あなたさんって黒子くんの兄妹か何か?
黒子 テツヤ
はい、あなたは僕の双子の妹です
相田 リコ
その子は今日来てないの?
黒子 テツヤ
あなたならずっと僕の後ろにいますよ



そう指をさされたので、ゆっくり顔を出すと、先程のように驚かれた




…………びっくりするからやめてほしい




相田 リコ
き、兄妹揃って影うっすいわね……
黒子 あなた
ご、ごめんなさい……あの……えっと……



なにか挨拶するべきなのは分かっているけれど




緊張してしまい言葉が出てこない




黒子 あなた
テツ……やっぱ無理……




中学の時も、みんなと何とか話せるようになったの2年生になってからだし……




先は長いです




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