第86話

ケジメ
101
2023/04/15 15:09
HIRO
こういうことが、また起こるかもしれない…
ヒロさんの思い声が、室内に重苦しく響く。
小森隼
はい…
HIRO
芸能人は、一般人じゃない。
HIRO
…何があるか分からないんだ
小森隼
…はい
HIRO
…お前の、恋人は一般人だ。
HIRO
付き合っているのが悪いとは言わない。
HIRO
むしろ、嬉しい。だけど……
小森隼
……
HIRO
ケジメはつけなさい
小森隼
はいっ
ケジメはつけなさい…

どういう思いを込めて…言った言葉なんだろう
HIRO
…あなた
あなた
はい
HIRO
君の、恋人は芸能人だ
HIRO
一般人じゃない
あなた
…はい
私の目を、まっすぐと見つめてくる。
HIRO
…その重圧にこれからも耐えられるか?
あなた
……
そうだ…

重圧…

ファンの方の思い
小森隼
……
はやとの方を見る。

はやとは、まっすぐヒロさんを見つめていた。

その様子を見て、背筋が伸びた。
あなた
耐えられます。
私の中で、はやとと、これから一緒にいる覚悟が固く決まった瞬間だった気がした。
HIRO
…わかった。
ヒロさんが、それだけ言って部屋から出ようとする。

出入口付近にいた、はやとの肩にそっと触れ
耳打ちしてから、出ていった。

何を言ったんだろうか…
あれから、数日後…

山田奏音
おはょ、傷の調子は?
あなた
…順調です
山田奏音
よかった
より引き締まった気持ちで仕事に取り組んでいた。

山田奏音
今日は、夜とか予定あんの?
あなた
あー、、夜は、はやととご飯に…
山田奏音
どこ行くの?
あなた
…なんか…内緒って言われたんです
山田奏音
…何それぇー💕
キャーっといって目を隠す🫣💖
山田先輩…。

いつの日かの夜…寝ようとしたら、

はやとが…

「今度、オシャレしてご飯いこっか」

って一言…。

どこ行くの?って聞いたら

「ないしょ」

の一点張り…。

山田奏音
まぁ、楽しんでね?
あなた
ありがとうございます
内心、ワクワクしてる。

この日のためにワンピースも調達したから…。

プリ小説オーディオドラマ