その日をきっかけにに涼兄とは気まづくなった。
ばったり会っても、
目を合わさずに通り過ぎてしまう。
家にも何度も訪ねてくれた。
あなた母「ごめんね、体調悪いみたいで」
お母さんにそう言ってもらい、涼兄に合わないようにした。
しかし、ある日。
学校から帰ってきた時、家の前に涼兄が座っているのが見えた。
涼兄は、帰ってきたうちに気付いて、立ち上がった。
うちは、急いで引き返した。
そう言って、涼兄に腕を掴まれた。
うちは、ゆっくりと涼兄の方に向いた。
それから、涼兄は一呼吸置いて、
そう言って、涼兄は頭を下げた。
そう言うと、涼兄は顔を上げ、うちに笑顔を見せた。
その笑顔は、小さい頃と変わらなかった。
涼兄から何か渡された。
そう言って、涼兄は行ってしまった。
うちの手にはチケットが2枚あった。
そのチケットには、GENERATIONSのライブと書かれてあった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!