なんでこんなとこに来たんだろ。
ただ人の中に紛れていた。ただの一人として。
途中で迷子になり公園に向かっていることはわかった。
元の道に戻ろうとしたとき
いきなりのバックハグに倒れそうになる。
爽やかに薫るフローラルの香水が記憶をかすめた。
笑顔で言う彼は純粋そのものだった。
人違いと言いきることも出来たのに何故だか認めてしまっていた。
仕方なく連絡先を交換する。
そうか。この人混みはそういう理由かと今気づき
少しがっかりに見えたのは気のせい?
彼は勢いよく手をふり
そう言うと走り去っていった。
忙しいに決まってるか。
自分で納得し帰路についた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。