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第1話

食満留三郎の弟の段
1,062
2022/03/24 13:35
忍術学園は今日から休みな為で帰って来たけど髪を下ろして水色の着流しの上父から貰っただんだら模様した羽織を着ていた弟の夕河は兄、留三郎帰ってくるたびに両親が呆れるくらい真っ先に飛び蹴りをするのが彼のお約束になっている。
食満留三郎
夕河。飛び蹴りしてくんな!
食満夕河
わすのお約束

両親は飛び蹴りしていた事を見て呆れた顔をして苦笑いしていた。
食満夕歌
留三郎お帰りなさい。早く家の中にお入りなさい
食満留三郎
おふくろただいま
食満夕河
兄ちゃん。早く聞かせて
食満留三郎
待てよ。夕河!
夕河は早く話を聞きたくて強引に引っ張って家の中に入っていた。
食満夕歌
全く夕河は落ち着きが無いんだからぁ
食満留吉
まあ夕河はまだ10だから留三郎が帰って来た事が嬉しんだからいいじゃないか
留三郎はリラックスをしながら忍術学園の話を盛り上がりながら話を聞いていた。
食満夕河
忍たま達と先生はマジで凄いね。尊敬の塊になりそうだ!
食満留三郎
だろう!しかし夕河は相変わらず両親の家の手伝いをして偉いなぁ
ニコッと笑う夕河に留三郎もニッと笑う。そして夕河の頭に手を置いた。
食満夕歌
買い物に行くからお留守番しなさい
食満兄弟一同
おう/分かった
夕食を食べて寝静まった時厠に起きたら夕河は月を見て祈りを捧げていてそれから何日も留三郎は同じ光景を何度か見た。そして我慢できずに声をかけた。
食満留三郎
何しているんだ?
食満夕河
兄ちゃんが帰ってくるたびに怪我とかしてくるから心配になっていたんだ
食満留三郎
そっか。ならいいんだけどお袋から聞いたんだがそれだけか?
食満夕河
友達がいないから相談出来なくてでも手伝いもしなくちゃいけないし
食満留三郎
!!
兄に打ち明けた夜が明け朝日が昇り、留三郎がいなくなっていたから忍術学園の登校したと思って両親に聞いたら忍術学園に行くらしい。
食満留三郎
お〜い!夕河ぁ!
食満夕河
兄ちゃん。随分早い帰りでデジャヴしたと思って心配していたんだ
食満留三郎
だぁぁぁぁ!
留三郎がひっくり返った。
食満夕河
え?違うの?
食満留三郎
違うに決まっているだろう!それどこで覚えたんだよ
食満夕河
そうだ。母さんがちょうど朝食出来たらしいから聞かせてよ
食満留三郎
だから引っ張るな!
朝食が出来たって声をかけていたから引っ張って連れて行った。父と母と兄の四人での朝食して留三郎は話の続きをしていた。
食満留三郎
夕河。学園長先生に入学許可をいただいてきたぞ!
食満夕河
兄ちゃん。それって相談した時善は急げみたいな感じ?
食満留三郎
おうよ!愛する我が弟の為なら火の中水の中!野菜くずの中!
食満夕河
兄ちゃんなら言いそうな発言…
朝食が食べ終えたら父と母は新しい服をくれた。どうやらまえから行きたがっていた事が分かっていたらしく用意していたらしい。
食満留吉
辛かったらいつでも帰っておいで
食満夕歌
私達は家族なんだから…
食満夕河
父さん、母さん……
食満留三郎
全部着流しだが似合っている
食満兄弟はしんみりしてしまい思わず涙が零れそう………だった。
食満夕歌
他にも他にも他にも
食満兄弟一同
えっ………
なかなか出発出来なくなり、兄共々母親の話を立ち話で聞いていた。
食満留三郎
ったくおふくろは話が長いんだから
食満夕河
お陰で足が痛い
兄弟水入らずな会話をしながら野を越え山を越え川を越え……そして、夕河の目に背の高い半鐘台が映る。
食満留三郎
あれが、忍術学園だ!
食満夕河
ついに忍術学園に来た…仲良くなれるように頑張らなきゃ
食満留三郎
良し頑張れ!たとえ槍が降っても大砲が飛んでも!
食満夕河
いや、それは死ぬ
食満留三郎
ツッコミ冷たっ!しかしお前だったら跳ね返せるだろ
留三郎とワイワイやっていたら突如門の小さい戸が開き、中から黒い忍者装束の人が顔を出した。
食満留三郎
山田先生!
山田先生
食満留三郎、な〜に漫才じみた事言ってんだ
食満留三郎
すみません…っとそうだ。夕河!
兄に呼ばれて夕河は歩み寄る。
食満留三郎
山田先生。紹介します。弟の夕河です
山田先生
君が学園長の言っていた編入生!
食満夕河
ご紹介に上がりました。食満留三郎の弟。食満夕河です。この度は忍術学園に編入生となりました。至らぬところ多々ありますがご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします!
凄まじく綺麗でお上品で丁寧な挨拶に山田先生はぽかーんと口を開けた。
山田先生
(ち、ちょっと留三郎!この子は本当にお前の弟なのか⁉︎小さい頃にそっくりだが女の子みたいな顔立ちにまったく言葉遣いがお上品だぞ!)
食満留三郎
(弟ですよ!間違いなく!正真正銘!しかも俺が口が悪いみたいじゃないですか!)
何やら小声で留三郎と話す先生の姿に夕河は頭に?マークを浮かべた。
山田先生
ウオッホン!ご丁寧な挨拶ありがとう。私は一年は組の実技担当山田伝蔵だ。よろしく。夕河!」
食満夕河
はい!
留三郎とは門の中で別れるとこになり、夕河は山田先生に連れられ学園長先生の庵に向かった。
山田先生
学園長先生!山田伝蔵です。編入生の食満夕河くんが参りました
学園長先生
うむ。入るが良い!
障子がガラッと開くとそこには……誰もいなかった。
山田先生
あら?学園長!学園長先生〜!
山田先生が身を乗り出し見回す。突如目の前に導火線がついた何かが転がった。
ボン!
山田先生
ヌォッ!
食満夕河
え?
学園長先生
グホッホ!
山田先生が身を引くと同時に煙の中から咳き込みながら一人の白髪の老人と犬が立っていた。
山田先生
学園長先生!夕河君が驚いていますから普通に出てきてくださいよ〜!
学園長先生
普通などつまらんわ!
ヘムヘム
ヘムヘムヘム!
夕河がぽかーんと口を開いていると学園長と目があった。
学園長先生
君が食満留三郎の……
はっとして慌てて畳に座り。
食満夕河
は、はい。食満留三郎の弟、食満夕河と申します。この度は忍術学園入学のご許可ありがとうございます
学園長先生
うむ。丁寧な挨拶ありがとう。うむ。丁寧な挨拶ありがとう。まぁ、硬い姿勢は崩して結構
硬い姿勢は不要と言われふぅ〜っと一息つく。
学園長先生
さて改めと、此度より君を忍術学園に入学の許可を出す。これが一年生の装束じゃ。それと…
学園長は装束の入った箱の上にハガキの様な物を置いた。
食満夕河
これは?
学園長先生
わしのプロマイドじゃ!
山田先生
ダァァァ!(ドテ〜ン!)
山田先生は派手にこけた。
食満夕河
ありがとうございます!大切に保管します!
山田先生
も、貰って嬉しいものじゃないぞ?
食満夕河
あぁ!こちら、母から学園長先生にと持たされたものです。つまらないものかもしれませんがどうぞ!
山田先生をよそに夕河は風呂敷に包まれた箱を差し出す。
学園長先生
おぉ!これは嬉しい!何かな?
学園長が風呂敷を解き、箱の蓋を開けると、そこには何とも美味しそうなきな粉餅が入っていた。 
学園長先生
これは美味そうじゃ!ヘムヘム早速お茶の用意だ!
ヘムヘム
ヘムヘム!
そんなやり取りを障子の穴から複数の人物が見ていた。食満留三郎を始め6年生の先輩。
善法寺伊作
(うわー。小さい頃の留三郎そっくりだ!)
潮江文次郎
(その前に本当に弟なのか?言葉遣いと言い物腰と言い留三郎とまったく違うぞ!)
立花仙蔵
(是非とも我が作法委員会に欲しいものだ。)
七松小平太
(いや体育委員会だろ!留三郎の弟なら体力が有り余っているはずだからな!)
中在家長次
(ボソボソ………図書委員会が貰う。)
六年生一同
(((長次が珍しく喋った!)))
食満留三郎
(全員却下だ!我が弟は断然用具委員会だ!)
潮江文次郎
(そっちこそ却下だ!前に守一郎が入っただろうが!)
善法寺伊作
(ちょっ…留三郎!文二郎押さないで!障子が!)
夕河は視線が気になっており、破壊神眼を使って見通していた。
食満夕河
学園長先生。障子の上に誰かがいます
学園長先生
何?
山田先生
曲者なら学園長先生をお守りしなければ
食満夕河
山田先生。今いる忍者の服装は緑色で兄ちゃんがいるなら六年生ですね
曲者がいるって聞いた山田先生は守ろうとしていたけど夕河は特徴を当てていた。
善法寺伊作
だから押さないでよ。あっ
バラバリバリ!ドンガラガッシャァァン!!!
六年生一同
ドアァァァァァ!!!
障子にもたれ掛かった為、骨組みにヒビが入り6年生全員が部屋の中に雪崩れ込んできた。
食満夕河
に。兄ちゃん!
食満留三郎
や、やぁ。夕河。入学おめでとう
山田先生
夕河。言い当てるとは大したもんだ。っていうか何やってんだ!6年生が揃いに揃って!!!
学園長先生
思いついたぁ!
学園長先生は何かを思いついたらしく全員は呆然の中夕河に近寄った。
食満夕河
え?何をですか?
学園長先生
編入生の食満夕河には任務を与えてよう
六年生一同
ハイィィィィィィ⁉︎
山田先生
ハイィィィィィィ⁉︎
学園長先生の言葉に全員が飛び起き、夕河は呆然としていた。

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