忍術学園は今日から休みな為で帰って来たけど髪を下ろして水色の着流しの上父から貰っただんだら模様した羽織を着ていた弟の夕河は兄、留三郎帰ってくるたびに両親が呆れるくらい真っ先に飛び蹴りをするのが彼のお約束になっている。
両親は飛び蹴りしていた事を見て呆れた顔をして苦笑いしていた。
夕河は早く話を聞きたくて強引に引っ張って家の中に入っていた。
留三郎はリラックスをしながら忍術学園の話を盛り上がりながら話を聞いていた。
ニコッと笑う夕河に留三郎もニッと笑う。そして夕河の頭に手を置いた。
夕食を食べて寝静まった時厠に起きたら夕河は月を見て祈りを捧げていてそれから何日も留三郎は同じ光景を何度か見た。そして我慢できずに声をかけた。
兄に打ち明けた夜が明け朝日が昇り、留三郎がいなくなっていたから忍術学園の登校したと思って両親に聞いたら忍術学園に行くらしい。
留三郎がひっくり返った。
朝食が出来たって声をかけていたから引っ張って連れて行った。父と母と兄の四人での朝食して留三郎は話の続きをしていた。
朝食が食べ終えたら父と母は新しい服をくれた。どうやらまえから行きたがっていた事が分かっていたらしく用意していたらしい。
食満兄弟はしんみりしてしまい思わず涙が零れそう………だった。
なかなか出発出来なくなり、兄共々母親の話を立ち話で聞いていた。
兄弟水入らずな会話をしながら野を越え山を越え川を越え……そして、夕河の目に背の高い半鐘台が映る。
留三郎とワイワイやっていたら突如門の小さい戸が開き、中から黒い忍者装束の人が顔を出した。
兄に呼ばれて夕河は歩み寄る。
凄まじく綺麗でお上品で丁寧な挨拶に山田先生はぽかーんと口を開けた。
何やら小声で留三郎と話す先生の姿に夕河は頭に?マークを浮かべた。
留三郎とは門の中で別れるとこになり、夕河は山田先生に連れられ学園長先生の庵に向かった。
障子がガラッと開くとそこには……誰もいなかった。
山田先生が身を乗り出し見回す。突如目の前に導火線がついた何かが転がった。
ボン!
山田先生が身を引くと同時に煙の中から咳き込みながら一人の白髪の老人と犬が立っていた。
夕河がぽかーんと口を開いていると学園長と目があった。
はっとして慌てて畳に座り。
硬い姿勢は不要と言われふぅ〜っと一息つく。
学園長は装束の入った箱の上にハガキの様な物を置いた。
山田先生は派手にこけた。
山田先生をよそに夕河は風呂敷に包まれた箱を差し出す。
学園長が風呂敷を解き、箱の蓋を開けると、そこには何とも美味しそうなきな粉餅が入っていた。
そんなやり取りを障子の穴から複数の人物が見ていた。食満留三郎を始め6年生の先輩。
夕河は視線が気になっており、破壊神眼を使って見通していた。
曲者がいるって聞いた山田先生は守ろうとしていたけど夕河は特徴を当てていた。
バラバリバリ!ドンガラガッシャァァン!!!
障子にもたれ掛かった為、骨組みにヒビが入り6年生全員が部屋の中に雪崩れ込んできた。
学園長先生は何かを思いついたらしく全員は呆然の中夕河に近寄った。
学園長先生の言葉に全員が飛び起き、夕河は呆然としていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。