ルカちゃんとはなぜか意気投合した。
ルカちゃんは記憶喪失みたいだ。
唯一覚えているのは、
自分の名前だけらしい。
そこから別れを告げ、
私はまた歩いた。
見覚えのある人たちを見かけることが
多かった。私は──何を忘れてしまったのだろう。
振り返ると、そこにはアルドがいた。
なんだろうか。アルドと一緒にいると
安心感というか。何か感じる。
私は、また別れを告げ歩く。
家から遠ざかるように歩く。
一つの嫌な考えが頭に浮かぶ。
夢の中で夢を見たのではなく。
途中で目が覚めてお母さんを…ころ…
吐き気がする。視界がぐるぐる回る。
気持ち悪い。走ってどこかに行く。
どこに行くのか私もわからない。
どこに行く?そんなことを考えながら
走って行ったんだ。
最期に聞こえた音は。
車のクラクションの音と人の悲鳴だ。
「絶望」
END1 殺人鬼











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!