前の話
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前回のおさらい
私、翠崎 志和は、自分の異能力というもののせいで両親に捨てられた。
そんな時に武装探偵社の一員である太宰治に救われた。
そして現在、太宰さんと武装探偵社に入るところである。
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太宰さんが武装探偵社のドアを開けると……
怒っている国木田の鋭い目線が私を睨
んだ。
思わずビックリして太宰さんの背中に
隠れた。
やっぱり、太宰さんはいい人だ。
「親に捨てられた」なんて言わないん
だ。
そう心の中で呟いた。
太宰さんは何も言わなかった。
けど、何か悩んでいるように見えた。
ため息混じりに太宰さんは続けた。
苦笑いに太宰さんはそう言った。
ところで、用事はないって言ったけど
仕事、どうするんだろうこの人……
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太宰さんから貰った、住所と地図を頼
りに私はその場所へ向かった。
色々……?
気になって聞こうとしたけど、個人の
ことだから話したくないかもしれない
から私は聞かなかった。
そんなことを考えていると、太宰さん
の言っていた場所に着いた。
そこにはとても大きい高層ビルが立っ
ていた。
そう呟いてビルの入口へと向かった。
しかし、私は知らなかった
これからどんな出来事が起きるのか。
そして、私の異能力がどれほど恐ろし
いものなのかを─────────
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!