夏休み、大貴に会えないだけでも辛いのに
「補習とか、めんどくさぁぁ」
ばかな私は、補習に呼ばれてしまった。
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「○○ばいば〜い」
そう言って続々と帰っていく友達。
わからない問題が解けなくて、
1人だけ教室に残ったこの日。
「あれ、○○まだいたの?」
聞き間違えるはずもない、
「大貴っ!?」
教室の扉には会いたくて仕方なかった、
_大貴がいた。
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「いやー、忘れ物しちゃってさ、取りに来たんだよね」
「あ、そうなんだ」
部活終わりで、汗をかいた姿がかっこいい
なんて、不覚にも思ってしまう。
「で、なんで○○だけいんの?」
「わかんない問題が解けなくてさ」
"えへへ"と笑ってみせる。
「ちょっと見して」
そう言ってこっちに近寄ってきて、プリントを覗き見する。
「あぁ、これはさ、こうしてさ」
なんて、さり気なく教えてくれる大貴。
やっぱ優しいな とか
横顔綺麗だな とか
そんなこと思ってたら、頭を叩かれて
「人が真面目に教えてやってんだから、ちゃんと聞け」
って、怒られたけど、
また優しく教えてくれた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。