本気だって聞いた瞬間、
その笑顔を見た瞬間、
なんでか視界が歪んできて、泣いちゃって
「ばっ、なに泣いてんだよッ!笑」
「だってっ、嬉しくって、......両思いなんて、......思って、なかったからっ」
「ま、それって...」
「私も、ずっとずっと...大好きっ、だった、よ ?」
「ちょ、それは反則だろっ...」
そう言って、手の甲で口を抑える大貴の顔は真っ赤で、可愛いと思ってしまうほど。
「あーあ、やっと手に入った。どんだけ待ったと思ってんだよばか」
「私だって、待ってた...しっ」
「まじ?」
「ふふ、ほんと。大貴顔真っ赤だよ?」
って、私の方が多分真っ赤だと思う。
「うっせぇな、もう帰るぞ」
そう言って話は逸らすくせに、しっかり繋いでくる手。
ちょっと、いや、だいぶきゅんてした。
多分もっと顔真っ赤になった、私。
「ふは、顔真っ赤じゃん」
_そんな顔俺以外に見せんなよ?
end.
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。