第67話

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2020/05/13 23:00
しなずがわ  さねみ
しなずがわ さねみ
町でよく見かけるから覚えちまった
そう言いながら結ってくださった。

"マガレイト"という髪型らしい。
ぺこりとお辞儀をする、本当は口に出したいのだがそうもいかないし、いちいち書くのも面倒くさい。
しなずがわ  さねみ
しなずがわ さねみ
行くか。
私の手を引き、歩き出した





.
あなた
あなた
(鮭……安いの…………)
さっき実弥さんが「悪いが、1人で見といてくれ」と言って、何処かに行ってしまいました

1人じゃ、必要なものを買うこともできないので、大人しく店先で待つことにします

もぶ
氷柱さんですよね
誰……?私のことを知っているということは鬼殺隊士なのでしょうか…………

取り敢えず、コクリと頷くと
もぶ
ほんとに声でないんですね笑
もぶ
ちょっと来てくださいよ、どうせ声でないんですから助けも呼べないでしょ

鬼殺隊士だとすればこの人はとんでもなく非常識な人ですね。

助けを呼ばずともあなたを気絶させることくらい簡単なのに…………と思っていると、

しなずがわ  さねみ
しなずがわ さねみ
誰の女に手ェ出してんだテメェ
もぶ
かッ風柱様……!!
しなずがわ  さねみ
しなずがわ さねみ
ぶっ殺してやろうかァ?
もぶ
ごめんなさいッッ……!!

実弥さんは男の人が遠くに走って姿が見えなくなったことを確認すると、私の頭を撫でた。

しなずがわ  さねみ
しなずがわ さねみ
なんかされたかァ?
.
あなた
あなた
「ば」「か」「に」「さ」「れ」「ま」「し」「た」
しなずがわ  さねみ
しなずがわ さねみ
やっぱ殺しゃ良かったな
今の彼の顔は本当にそう思っていそうな顔で、なんなら殺してきたみたいな顔で

怖い。けどそれは彼の私に対する優しさだと分かっている。


自然と笑顔になれる。

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