私は鬼。不死川さんは鬼に対して人一倍憎しみという感情を抱いている。
いくら恋仲だったとは言え、鬼になってしまった私を受け入れてくださるだろうか……
そうですね……明日、日が沈めばきっと、誰かが来る
***
俺は鬼が嫌いだ
殺しても殺しても、その想いが消えることはない
きっと、鬼舞辻無惨を倒したところで、それは変わらないだろう
大切な家族を殺したそいつらを永遠に許すことはできない。
氷咲は、鬼じゃない
いや、鬼であることに変わりはないのだけど、あいつにはまだ、何か考えがありそうだった
俺たちのことを許したわけではなさそうだが、「鬼舞辻を殺す」ことを諦めたようにも見えなかった
きっと、
氷咲は俺の言葉に被せて聞いてきた
彼女の言う通り、鬼殺隊は明日、無限城へ攻め込むつもりだ
ベベン
琵琶の音が、屋敷に響き渡った
明日の戦いに向け、早めに床についた
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。