悲鳴嶼さんは、玄弥が死にかけて気持ちが沈んでいる俺をそっとしておこうと、先に向かったらしい。
俺が氷咲をおぶり、
玄弥と時透と、少しでも早くあいつらと合流するため、
駆け足で、音のする方へ急ぐ
既に鬼舞辻との戦いは始まっており、
一般隊士の死体はあちこちに転がり、柱も含め負傷者が数えきれないほどいた
.
悲鳴嶼さんが、そう叫んだ。
あの人はすげェ人だから、きっと頸を斬れるところまでいったんだろう。
全ての元凶。
全員が命を懸けて戦っている。
だが、攻撃が全くと言っていいほど効かない、届かない。
何をされても、あからさまに怒ったりしなかった氷咲が淡々と、だか怒りを露にして言葉を発する。
彼女は注射器のようなものを握っていた。
…………毒か?
誰もが、鬼舞辻ですら動きを止めるほど、氷咲が言葉を発すると、空気が重くなる。
next ↺
_____________________
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。