いくら実弥さんだろうと、まだ少し怖いんです。
誰に対しても、お母さんと妹弟以外には敬語を使うって癖がついてしまっているし……
……違和感がすごくあるけど、
満足そうに少し笑っている実弥さんを見てると、これも悪くないな。と思った。
.
良かった、と笑顔で応える
夕食を食べ終え、食器を片付けていると
と、少し強引に変わってくださったので有り難くお風呂に入ろうと台所を出ると、
居間に見覚えのないものがおいてあった
これは、今流行っているという「リボン」
……と、手紙…………?
その手紙の文字はどう見ても実弥さんのもので、宛先は私だった。
りぼんという髪飾りをお前に贈る。
お前に似合うと思ったものを2つほど買ったが、気に入らなければ捨てて構わない。
……今日、1人で見ててくれって言っていたのはこれを買っていたからか。と思い、手紙を閉じようとすると、小さな字で
これを買いに行っていたせいで、不快な思いをさせてしまい、申し訳ない。
と、綴られていた。
そんなこと気にしなくてもいいのに、と思ったが、やはり彼は世界で一番優しい方だと誇らしくもなった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!