第4話

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2023/05/25 02:29

安室 透
えーっと、今なんて?
天枷 あなた
?…こっからここまで、全部下さい
江戸川 コナン
す、凄い量だよお姉ちゃん??
天枷 あなた
そうかな?
江戸川 コナン
(おいおい嘘だろ………)



あなたさんが指した場所はこのカフェのデザートのページの端から端。



つまり、何十個とある甘ったるいスイーツを全て頼んだということだ。


流石の安室さんも、これには驚いて目を見開いている。




安室 透
……分かりました。少々お待ちください
江戸川 コナン
あなたお姉ちゃんは甘いものが好きなの?
天枷 あなた
そうだよ〜。甘いもの食べると幸せになれんの
天枷 あなた
甘いもの食べて仕事して、また甘いもの食べる!
天枷 あなた
それが一番効率のいい仕事の仕方!!OK?
江戸川 コナン
お、おっけー



随分変わった人だな、なんて感想を抱いた。


しかし見た目は怪しいが、それ以外の言動は一般人だ。


あの怪しい雰囲気は俺の勘違いだったのか??




江戸川 コナン
……?
江戸川 コナン
(あれは…、)



あなたさんは足が疲れてきたのか、左足を上げて組むようにして動かした。


その拍子に少し捲れたスカートの下に、何かホルダーのようなものが見えた。


たったの一瞬だったが、コナンの目にはそれがとある物に見えた。




江戸川 コナン
ねーねー、 お姉ちゃん
天枷 あなた
んー?どした?
江戸川 コナン
その太腿に付いてるソレ、なぁに?
天枷 あなた
………あー、コレ?



あなたさんがスカートを少し捲ると、太ももについたそれが顕になった。

皮でできた何かのホルダー。それは、丁度拳銃が一つ入るのにちょうどいいぐらいの大きさで。




江戸川 コナン
…そこに普段何を入れてるの?
天枷 あなた
えーっと、仕事で使うものかな
天枷 あなた
今は仕事中じゃないし、鞄に仕舞ってるよ
江戸川 コナン
そーなんだ!!


江戸川 コナン
(あれは警察の人とかがするようなガンホルダーとそっくりだ。形も大きさも一致する)
江戸川 コナン
(仕事で使う……もし拳銃を仕事で使うとしたら?)
江戸川 コナン
(そんな仕事、警察かFBIか公安しかない)
江戸川 コナン
(安室さんが警戒してるってことは、少なくとも公安ではないだろう)
江戸川 コナン
(FBI…でもなさそうだな。今日本に滞在してるFBIでそんな人の話聞いたことないし、まず学生だし)
江戸川 コナン
(警察の線も、学生っていう点では有り得ない。けど、親が警察関係だった場合は有り得なくもない…?)


江戸川 コナン
お姉ちゃんは両親と一緒に来たの?
天枷 あなた
親?
天枷 あなた
来てないよ。あの人達は…忙しいから
江戸川 コナン
じゃあ一人で来たの?
天枷 あなた
うん。近くのアパートを一部屋借りて、そこに暫く住むんだよ!
江戸川 コナン
いつまでの予定なの?
天枷 あなた
分かんないけど…仕事が終わるまで、かなぁ
天枷 あなた
随分私のことを聞いてくるね?そんなに興味ある?
江戸川 コナン
お姉ちゃんみたいな人あんまり見ないから、気になっちゃったんだ!


江戸川 コナン
(これで公安、FBI、警察の線はほぼない…)
江戸川 コナン
(っつーかそもそも高校生が銃を持つってあるかよ。そんなのやっぱり裏社会の組織と繋がってなきゃ有り得ねぇだろ)
江戸川 コナン
(ただ、コイツからはそんなヤバそうな気配はしない。少なくとも黒の組織みたいな雰囲気はしねぇけど…)
江戸川 コナン
(……いや、人は見かけによらない。警戒は出来るだけしといた方がいい)


安室 透
お待たせしました、これで全てです
天枷 あなた
わぁっっ!!!!
天枷 あなた
う、美味そぉ……



安室さんが次々と並べていくスイーツたち。


それをキラキラとした瞳で見つめる彼女は、どこからどう見ても普通の女子高生だった。


まぁ、服装を除けば、だけど。



天枷 あなた
い、いただきまぁ​───


​───プルルル、プルルル



彼女がフォークを手に取り、いざ食べようとしたその瞬間。


携帯の着信音が鳴り響いた。


慌てて自分の携帯を見るが、俺の携帯では無い。


安室さんのでも無いようだし、どうやらあなたさんの携帯かららしかった。



天枷 あなた
うわっ………
江戸川 コナン
…出ないの?
天枷 あなた
ううん、出るよ
天枷 あなた
……はーい、もしもしー?



あなたさんはそう言ってスマホを耳に当てた。


俺たちからは相手の声は聞こえないが、少し聞こえた声的には男の人の声のようだ。


あなたさんの話し声を聞き逃さないようによく聞く。


天枷 あなた
はい。……はぁ?
天枷 あなた
​───────任務?
江戸川 コナン
!!
安室 透
!!



『任務』という言葉に、二人は同時に反応した。


日常生活の中で『任務』なんて言葉はあまり使わない。


仕事上の話だとしても、任務なんて言葉を使う仕事があるだろうか。


肉体系の仕事であり、仕事のことを『任務』と言う……


益々怪しく考えられる彼女だが、話してみるとそうでもない。


そんなチグハグ感がどうも気味悪く感じてしまう。


安室 透
…………
江戸川 コナン
……



そう考えているのは、俺だけじゃないようだった。




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