第62話

Sweet62~離れない(1)
6,369
2023/01/19 06:19

PM5:10




ジョングク
ジョングク
お疲れ様でした





ジョングクは定時の時刻になってすぐ、着替えをして警備室を出た。



お昼休憩が終わって仕事に戻ってからも、ずっとテヒョンのことが気になって、今日1日全然仕事にならなかった。

テヒョンが近くにいると、表情管理も平常心を保つのも難しい。



キッチンカーに近づくと、テヒョンはちょうど看板を閉まっているところだった。




ジョングク
ジョングク
テテ、終わったよ
テヒョン
テヒョン
あっ、ぐぅちゃん!



テヒョンは急いでジョングクに駆け寄り、勢い良く胸に飛び込んで来た。


テヒョン
テヒョン
お疲れ様、待ってた……



ジョングクの胸に顔を押し付けて、寄りかかる。



ジョングク
ジョングク
……疲れた?
テヒョン
テヒョン
ううん……
ジョングク
ジョングク
……大丈夫?
テヒョン
テヒョン
僕……早くぐぅちゃんに会いたくて
 


ジョングクは、テヒョンを腕の中に閉じ込めて、ぎゅうっと抱きしめる。



テヒョン
テヒョン
今日は全然仕事にならなかった……
ジョングク
ジョングク
俺も……
テヒョン
テヒョン
ぐぅちゃんも?
ジョングク
ジョングク
うん……だってテテ、トイレ借りに
ビルの中に来る度にニコニコして
手振るし、ウィンクするし……
テヒョン
テヒョン
ふふっ……だってぐぅちゃんがいる
って思うと嬉しくなっちゃって……



2人は見つめ合って微笑み合う。



ジョングク
ジョングク
……帰ろっか
テヒョン
テヒョン
うん……早く帰ろ





2人で一緒に片付けをして、車に乗り込んだ。

ベンチシートのフロント席。


エンジンをかけてから、テヒョンはジョングクを自分の方に引き寄せる。



テヒョン
テヒョン
ぐぅちゃんもっとこっち来て?
ジョングク
ジョングク
ふふっ……うん
テヒョン
テヒョン
僕にくっついててね?
ジョングク
ジョングク
うん
テヒョン
テヒョン
手握ってて欲しい
ジョングク
ジョングク
……いいけど、運転しづらくない?
テヒョン
テヒョン
大丈夫!だから、離さないで?
ジョングク
ジョングク
……わかった



ジョングクは握った手を持ち上げて、テヒョンの手の甲にキスをする。



ジョングク
ジョングク
安全運転でお願いします
テヒョン
テヒョン
ふふっ、任せて!




水色の車は2人を乗せて走り出した。



途中、信号待ちでジョングクはテヒョンの頬にキスを繰り返す。
キスをする度、真っ赤になる耳が愛おしい。


もうすぐ駐車場に着くあたりで、テヒョンもジョングクの頬にキスを返した。


テヒョン
テヒョン
……ねぇ、ぐぅちゃん?
ジョングク
ジョングク
ん?
テヒョン
テヒョン
駐車場着いて車降りたらさ……
……手繋ぎチャレンジしない?
ジョングク
ジョングク
手繋ぎチャレンジ?
テヒョン
テヒョン
うん、どこまで手を繋いだ
ままでいられるか……
ジョングク
ジョングク
……いいけど、トイレとかお風呂は?
テヒョン
テヒョン
えっ……可能な限り…
ジョングク
ジョングク
ふふっ、わかった

テヒョン
テヒョン
僕……今日はもうぐぅちゃんから
1mmも離れたくないから……
ジョングク
ジョングク
テテ……



車が駐車場に到着して、2人は車から降りた。



テヒョン
テヒョン
よし…じゃあぐぅちゃん手出して?
ジョングク
ジョングク
はい……


ジョングクが差し出した手を、テヒョンは強く握る。





テヒョン
テヒョン
じゃあ……始めっ!




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