PM5:10
ジョングクは定時の時刻になってすぐ、着替えをして警備室を出た。
お昼休憩が終わって仕事に戻ってからも、ずっとテヒョンのことが気になって、今日1日全然仕事にならなかった。
テヒョンが近くにいると、表情管理も平常心を保つのも難しい。
キッチンカーに近づくと、テヒョンはちょうど看板を閉まっているところだった。
テヒョンは急いでジョングクに駆け寄り、勢い良く胸に飛び込んで来た。
ジョングクの胸に顔を押し付けて、寄りかかる。
ジョングクは、テヒョンを腕の中に閉じ込めて、ぎゅうっと抱きしめる。
2人は見つめ合って微笑み合う。
2人で一緒に片付けをして、車に乗り込んだ。
ベンチシートのフロント席。
エンジンをかけてから、テヒョンはジョングクを自分の方に引き寄せる。
ジョングクは握った手を持ち上げて、テヒョンの手の甲にキスをする。
水色の車は2人を乗せて走り出した。
途中、信号待ちでジョングクはテヒョンの頬にキスを繰り返す。
キスをする度、真っ赤になる耳が愛おしい。
もうすぐ駐車場に着くあたりで、テヒョンもジョングクの頬にキスを返した。
車が駐車場に到着して、2人は車から降りた。
ジョングクが差し出した手を、テヒョンは強く握る。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。