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小説
ホラー
リスカ依存症の僕
第29話
ﾊｧﾊｧﾊｧ…
蒼……息が荒い…
蒼、もう結構離れたしとりあえずあそこで休もう
え、あ、うんﾊｧﾊｧﾊｧ…
ごめんね、せっかくの家出？だったのに
全然いいよ、1人より楽しいし
蒼……なんで家出なんかしたんだろ……
あ、のさ……言いたくなかったらいいんだけどさ
なんで、家出なんかしたの…？
…………
やっぱ聞いちゃダメだったかな……
俺、さ…兄貴がいるんだ
俺より優秀で親には期待されている兄が……
ずっと、親から酷い事をされてた俺を助けてくれた兄貴だったのに……
兄貴でさえ、俺に酷いことを……
そっか…辛かったね、
それより、とかげ…体調は？平気？
全然大丈夫だよ、心配してくれてありがとう、そして、助けてくれてありがとう
俺は…何もしてないよ、とかげが自分で決めたことだから
…………あのさ、僕の本当の名前…
あなたの下の名前って言うんだ、僕だけ本名知ってるのはあれだし僕のも教えとくね
あなたの下の名前……か、
いい名前だね、君に似合ってる
親に付けられてずっと嫌いだった僕の名前……
蒼に呼ばれただけでこんなに嬉しいなんて…
僕は初めてあなたの下の名前（この名前）に感謝した
