第3話

#3
4,470
2019/07/03 10:57
太宰治
太宰治
…さん、あなたさん、
あれ…?私誰かに呼ばれてる。
あなた
あなた
ん…?
ゆっくり目を開けると、
私の頬にそっと手を添えて微笑む太宰さんがいた。
あなた
あなた
ひゃぁあっ
太宰治
太宰治
あぁ、驚かせてしまったようだ
おどけたように言うが分かっていた風である。



ふと周りを見渡すとここは病院だ。
与謝野先生の治療じゃない所に太宰さんの配慮を感じる。

きっと乱歩さんから事情聞いたんだろうな。

ポオ君が居ないのは人見知りが発動したからだろう。

1人知らない人が居ても辛いだろうに、
2人に増えたとなれば彼は逃げるに決まっている。
江戸川乱歩
江戸川乱歩
そうだ、君頭痛はもう治ったの?
あなた
あなた
あっ、そういえば
頭痛でこんな事になったのを忘れる程回復したらしい。



そういえば、
なんであんなタイミングで頭痛がしたのだろう。
というか本当にあれは頭痛だったのか?
物理的に引っ張られたような感覚だった気が…
太宰治
太宰治
あぁあれはね、




君の異能だよ。
太宰治
太宰治
君の体が異能の発動に耐久出来なかった
あなた
あなた
!?
驚きすぎて字体が歴史的になってしまった。



てかどういうことだ。
私普通の人間なのに。

こっちの人間全員が異能力者な訳では無い筈だし、

私は物語に登場するなら一番最初に死ぬタイプだ。
あなた
あなた
私、今も異能発動してないですよ!?
太宰治
太宰治
え、だって私が頬に触れてるじゃないか
あなた
あなた
あっ今も続いてたんですね。
しまった、物語の悪いクセである。

とか言うのはこの世界のタブーだろうか。
あなた
あなた
…因みにこれ、
太宰さんが手を離したらどうなるんですか?
太宰治
太宰治
…試してみる?
あなた
あなた
あっいいです
口角を上げた太宰さんの目は笑っていない。

あぁ怖い。でも美し((殴
あなた
あなた
私の異能、どんな異能なんですか?
太宰治
太宰治
其れについては乱歩さんが調べてくれた
江戸川乱歩
江戸川乱歩
どんな謎も僕には全てお見通しだからな!
あなた
あなた
あはは…
江戸川乱歩
江戸川乱歩
で、君の異能は…
江戸川乱歩
江戸川乱歩
「ジェーン・エア」
あなた
あなた
ジェーン・エア?
江戸川乱歩
江戸川乱歩
君の異能は、
発動時に対象と見た人を
発動時の君と同じ技量にする
あなた
あなた
…??
太宰治
太宰治
つまり、発動時君が弱ければ対象の人を
君と同じだけ弱くできる
あなた
あなた
強くなれば?
江戸川乱歩
江戸川乱歩
勿論強くできる
あなた
あなた
…なんか使い道なさそう
江戸川乱歩
江戸川乱歩
そうだな
あなた
あなた
認めちゃうんだ。
あなた
あなた
てか私の体が耐えられるようになるまで
この姿勢は無理じゃないですか?
太宰治
太宰治
そうだね…私は別に良いのだけれど
あなた
あなた
えっ、
語尾に♡が付きそうになる。

じゃあいいかも、なんて考えたりもするが
私の方の精神が持たない。

鼻血が止まらず多量出血で死ぬ可能性も0では無い。
江戸川乱歩
江戸川乱歩
じゃあ君…
そう言って乱歩さんは目を光らせた。











































江戸川乱歩
江戸川乱歩
武装探偵社に来なよ。

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