第10話

#10
2,940
2019/07/09 11:01
じゅわあああああっ。


何かの焼ける音がして、
ふんわりと美味しそうな匂いが漂う。
あなた
あなた
ほふぇ…?
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
あっ、あなたちゃん起きた?
もうすぐ朝ごはん出来るから一寸ちょっと待っててね?
あなた
あなた
ふぁい!
谷崎さんの女子力に惚れ惚れしながら隣を見ると、
谷崎さんの枕を抱きしめて幸せそうに寝ている
ナオミさんがいた。
谷崎ナオミ
谷崎ナオミ
んふふ…兄様ったら…♡
とても満足気に寝言をむにゃむにゃ言っている。

どんな夢を見ているかは少し恐ろしくて想像し難い。
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
ほら、ナオミ起きて〜
朝ごはん出来たよ!
谷崎ナオミ
谷崎ナオミ
兄様〜♡
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
ちょっ、うわっナオミ!?
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
いや、今は拙いって!
あなたちゃんもいるし!?
やめ…
2人
あ♡
あなた
あなた
( ^ᴗ^ )
そんなこんなで武装探偵社に来た。
国木田独歩
国木田独歩
あなたさんっ♡
あなた
あなた
うわっめっちゃ目腫れてる…
国木田独歩
国木田独歩
そんな事はどうでも良いんですよっ!
さぁ、私との将来を語りましょう♡
あなた
あなた
きも、じゃなかった、仕事をして下さいよ!
国木田独歩
国木田独歩
あぁ、貴女の事を考えると仕事なんてどうでも良くなってしまって…♡
江戸川乱歩
江戸川乱歩
あなた〜、これじゃ仕事になんないから
なんか言ってやってくれよ
あなた
あなた
えぇー?
あなた
あなた
私仕事をちゃんと出来ない人は嫌いです
国木田独歩
国木田独歩
よし、仕事頑張ってきます!!
全員
(チョロすぎる…)
少し落ち着いて、
再び時が流れようとしていた時。
ドッカァン!!
全員
!?
探偵社のドアが吹っ飛ばされた。


皆が呆然とする中、その奥から現れたのは。
太宰治
太宰治
う、うわっ
中原中也
中原中也
うわっじゃねぇんだよクソ太宰!
中原中也
中原中也
手前てめえら芥川知らねぇか?
中原中也
中原中也
探偵社に監禁されてんじゃねえかと…ん?
そういってガッチガチに固まる私の前に来た。
中原中也
中原中也
此奴こいつ誰だ?
見ねぇ顔だな
ついには至近距離まで来てしまって、
ほのかに香水みたいな匂いがする。
あなた
あなた
ひあっ!?
ドサッ。

私は耐えきれず意識を遠く彼方へと飛ばした。
中原中也
中原中也
あ、おい…
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与謝野晶子
与謝野晶子
おい、大丈夫かい?
あなた
あなた
んっ…?
太宰治
太宰治
おぉー良かった
ここは武装探偵社の医務室だ。

隣には太宰さんと与謝野先生がいて、
ドアの向こうには影が見える。

そちらを伺うように首を動かすと、
太宰さんがにやっ、と笑った。
太宰治
太宰治
あなたちゃんはここで目をつぶって、
じっとしてて?
あなた
あなた
えっ?
聞き返した時にはもうドアを開けていて、

慌てて目を瞑りじっとする。
国木田独歩
国木田独歩
おい太宰っ、あなたさんは…!?
太宰治
太宰治
…手を尽くしたんだが
国木田独歩
国木田独歩
そんな!?
与謝野先生、どういうことです!?
与謝野晶子
与謝野晶子
アタシにも分からないよ、すまない
国木田独歩
国木田独歩
嘘だ…そんな…!
…ん?
何だこの茶番。


いや、今のところ国木田さんにとっては茶番ではない。

彼はそれどころでは無いだろう。


取り敢えず死人のフリをしろと?

真逆与謝野先生まで乗るとは思わなかった。
国木田独歩
国木田独歩
…ヒタッ
あなた
あなた
うきゃっ
全員
…あ
国木田独歩
国木田独歩
…太宰?怒
太宰治
太宰治
流石さすが与謝野先生!
蘇生まで出来るとは!
与謝野晶子
与謝野晶子
妾もう乗らないよ?
太宰治
太宰治
そんなぁ
太宰治
太宰治
ちょっとあなたちゃーん
あなた
あなた
だってほっぺ触られるとは思わなくて…
太宰治
太宰治
セクハラだね?
あなた
あなた
ほんとですよ!
あなた
あなた
…てか、中也さんは?
太宰治
太宰治
あぁ、芥川が失踪したようでね
あなた
あなた
芥川さんが?
あなた
あなた
ひぐっちゃんやばそう…
太宰治
太宰治
?樋口の事かい?
あなた
あなた
あっはい
太宰治
太宰治
ふふ、そうだね
太宰治
太宰治
再起不能になって落ち込んでいるか
血なまこになって探しているか…
あなた
あなた
(どっちもありそう…)
太宰治
太宰治
そういえば、
あなた
あなた
はい?
太宰治
太宰治
なんで急に倒れたの?
あなた
あなた
…。
言えない。






















1推しを肉眼で拝んでしまってぶっ倒れたなんて、
2推しに言えるわけ無いじゃん。

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