ガッシャアアン!!
辛うじて芥川の攻撃を避ける。
うん、こりゃあ効いてないね。
コントロールがまだ効かないのか。
意味無いじゃん。
そりゃこんなに早く実戦になるとは思わないよ。
さてどうする。
ただでさえ人より運動音痴なのに。
次来たら避けられない。
ふと芥川が動きをとめた。
私はこれまでを大体話した。
頼むよ、言いたくないんだから理解してよ。
気付かないよなぁ、
ひぐっちゃんの気持ちにすら気付かないんだもん。
イラッとした芥川が羅生門をすっと出す。
異能恐ろしいんだから軽々しく出さないでよ!
怒りを抑えられず
嵐が丘が発動する。
愛の怒りに染まった恋するオタクを避けきれず、
芥川は攻撃をモロに食らった
尻餅をついた状態で次の攻撃も避けられる筈は無く、
あえなく拘束される。
やった!!!
芥川も芥川で怒りに染まってしまい、
羅生門で拘束していた髪を切り裂く。
双方の異能が向かい合い、
バチバチと火花を散らす。
これは相討ちになるかな。
その時。
敦くんと芥川の時のように、
太宰さんが間に入って異能を消す。
あぁあぁあ。
太宰さんにこんな恥ずかしい姿を!!
死にたい!猛烈に土に還りたい!!
こうして事件は無事(?)幕を閉じた。
後で気付いたのだが、
コントロールが効かない状態で
嵐が丘を芥川に的中させられたのは、
ジェーン・エアのお陰だと思う。
あの時確かにジェーン・エアは発動した。
つまり、芥川の技量が私に移ったって事。
本来私自身の技量に合わせる事しか出来ない筈だが、
それがコントロールしきれてなかった事による
バグ的なやつだ。
ミラクルが重なって命拾いしたんだなぁ。
やるじゃん?私。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!