鼻歌を歌い乍、芥川と今日の任務先である敵の本拠に行く
面倒だけど、又人を壊せるから嬉しいあなたと
少し心配そうな顔をする芥川
スキップしているあなたの後を少し早足で着いてくる芥川が、あなたに話しかけた
先に任務に行って大丈夫か?
任務に行くこと自体は良いことだから別に好いじゃ無いか、と
あなたは思うだろう
やっと意味を理解したあなたは、スキップしていた足を止めて、
其の場で立ち止まった
芥川の視界に映っているあなたは、とても恐ろしかった
其の顔を見た瞬間、芥川は肩を震わせ、
少しだけ放心状態に成った
あなたの顔はと云うと、
目はドス黒い色をしており
口はニタァ、…時妙に笑い、
まるで__________________
___________________________『殺人ピエロ』、_________
横浜に存在する、「ポートマフィアの悪魔」、
別名、「殺人ピエロ」…
ある時は悪魔の様に残酷になり、ある時ははピエロの様に奇妙に笑い狂う、…
彼女が起こした殺人事件は1000件以上、
その他の事件は2000件以上、
拷問を含む殺した人間の数は歴代最大人数、
ポートマフィアに降臨した最低最悪の殺人鬼、…
それが、「月姫あなた」_______________________、
僕は所詮、ポートマフィアの狗、…
其れに比べ、あなたさん、…否、あなたはとても強い。
初めてあなたと出会った時。
僕はあなたが羨ましかった、
太宰さんと話し、太宰さんに触れ、太宰さんと馴れ馴れしく、…
僕は、牙を出した
まだまだ未熟です愚かな僕だったが、其の時に出せる力を全て出した
だが、僕の牙はあなたには擦りもせず、
僕は其の儘疲れ、倒れた
其の後、僕が目を覚ました時に、あなたが側で林檎の皮を器用に剥いていた
僕は疲れ切っていた為、力が無かったが
あなたは僕に対して優しく接した
其の上、太宰さんの体術に耐えられるコツや、
太宰さんに勝てる為の技を教えて貰った
他にも、太宰さん以外の事も勿論話した
楽しかった
悔しい事に、僕はそう思ってしまった
其の後、直ぐにあなたと合同任務があった
其の頃あなたは未だ構成員だった為、幾らあなたが強くても、僕が守らなければ、と思い乍、共に任務へと向かった
其の任務では、僕が何もしなかった
瞼を閉じ、開いた其の一瞬で敵は既に壊れた人形となっていた
其の真ん中に立つのは…
…体を、手を、全身を血に染め、
「あっははっ、…あっはははははははははははハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!」
と、狂い笑うあなたの姿があった
其の時、出会って間もない僕でさえ思った
「此奴は、…恐ろしい、」と
暗い倉庫
誰かの悲鳴
誰かの鳴き声
誰かの笑い声
地面にぼんやりと映る、6つの人影
冷めた目で、命乞いをする愚かな人間を見下す
…本当に、煩いなぁ、…
煩い御人形は、好きじゃ無いんだけど、…
芥川の外套を肩に掛け、
倉庫には4つの御人形を置いて、
ピエロは帰って行った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。