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第13話

生きる
リヴァイ
リヴァイ
兵士になるからには訓練が必要だろ。今から3年間訓練兵として調査兵団を離れることは出来ないぞ
ハンジ
ハンジ
誰かさんは飛び級じゃん?
リヴァイ
リヴァイ
チッ…俺は元から出来ていた
ハンジ
ハンジ
リヴァイが教えてあげなよ
リヴァイ
リヴァイ
あぁ?
あなた

…?

エルヴィン
エルヴィン
リヴァイ、頼めるか
リヴァイ
リヴァイ
…命令なら従う
エルヴィン
エルヴィン
頼んだぞ
あなた

あ、あの…



話についていけなくなった。


飛び級ってどういうこと??



リヴァイ兵長に教わるのかな…。



あなた

どういうことでしょうか…?
私は何をすればいいですか?

エルヴィン
エルヴィン
ああ、兵士になるためには訓練が必要だが、君を訓練所に預ける訳にはいかない
あなた

そうなんですか…?

エルヴィン
エルヴィン
エレンの裁判が予定されている以上、君をこのまま放っておくことも危険だと考えている。巨人の一件があり、君には様々な意見が出てくるだろう
あなた

なるほど…

エルヴィン
エルヴィン
だからリヴァイに立体機動装置を指導してもらいながら、常に君に目が届く状態にする。リヴァイの腕は確かだ。君のことを知った憲兵団からも守ってくれる
あなた

…よろしく、お願いします

なんだか、急に怖くなってきた。


私は、どうなるのだろう。



裁判にも出ないといけないのだろうか。


何も話せる自信がない。






だって私は、何も知らないのだから。

ハンジ
ハンジ
エルヴィン、そろそろだろ?
エルヴィン
エルヴィン
ああ、そうだな
ハンジ
ハンジ
話してくれてありがとうね。すぐに訓練ってわけじゃないから、数日ゆっくり休んで。
ハンジ
ハンジ
私たちはやらなくちゃいけないことがあるから、なかなか来られないけど、兵士が外にいるから、何かあったら言ってね
エルヴィン
エルヴィン
お邪魔したね、また来るよ
あなた

はい、ありがとうございました





3人は扉の方へと歩いて行った。


扉を開けて、エルヴィン団長、ハンジさん、リヴァイ兵長の順に部屋を出て行った。



私は掛け布団を集めて顔を埋めた。







なんだか、困惑してる。





自分が兵士になるなんて。




「死」しか選択することができないなんて。





平穏な日々はもう元には戻らなくて。

その平穏でさえ当たり前の物じゃなかったんだって、最悪の形で気付かされた。




あなた

私は、やっぱり流されて生きていくんだろうな。





私はゆっくりと顔をあげた……。
あなた

わあっ!!

目の前にさっき出て行ったはずのリヴァイ兵長が私を覗き込んでいた。


驚き過ぎて、変な声が出る。


リヴァイ
リヴァイ
おい
あなた

は、はいぃ!

リヴァイ
リヴァイ
気分が悪いのか
あなた

へっ…?

鋭い眼が私の顔をじっと見つめる。
リヴァイ
リヴァイ
急にうずくまるから、気分が悪いのか?
あなた

あ、いえ、その…

め、めっちゃ見られてる…。

穴が開くよ…。
リヴァイ
リヴァイ
あなた

だ、大丈夫です…

リヴァイ
リヴァイ
…そうか
あなた

ご心配おかけしてすみません

リヴァイ
リヴァイ
大丈夫ならいい


リヴァイ兵長が、私を覗き込んでいた体勢を戻してベッドの横に立った。


私が顔を埋めたのを見て、戻ってきてくれたのだろうか。


リヴァイ
リヴァイ
怪我はどうだ
あなた

…少し痛みます

私が苦笑いをしながら言うと、リヴァイ兵長はゆっくりと口を開いた。
リヴァイ
リヴァイ
悪かったな
あなた

え?



どうして謝るのだろうか。

リヴァイ
リヴァイ
お前に怪我を負わせたのは、俺の責任だ
あなた

えっ、そんなことないです!

私は両手をぶんぶんと降って否定した。


少し背中が痛んだ。
あなた

リヴァイ兵長に助けてもらって、ほんとに……ほんとに、もう死ぬかと思って…

絶体絶命の時、助けてくれたのはリヴァイ兵長なんだ。


あなた

助けていただいてほんとうに感謝しています…っ

リヴァイ
リヴァイ
…お前の運命は、あの一瞬で狂っちまったんだぞ
あなた

あ…

私は目を見開けて、リヴァイ兵長の顔を見た。



思考が止まった。




私の運命は、巨人に喰われて死ぬ運命は、あの時、リヴァイ兵長に助けてもらったことで変わったんだ。


だから、あの時死んでおけば、こんな風にならなかったんだぞ、とでも言いたいみたいだ。
あなた

…私…いまは、困惑してて、なんだか分からないんです

あなた

後にも先にもどちらにせよ「死」しかないって状況に実感がないと言うか…

リヴァイ
リヴァイ
…そうだな、お前自身が1番解ってないだろうな
あなた

すみません…

リヴァイ
リヴァイ
いや、変なこと聞いたな



リヴァイ兵長はどすんと部屋にある椅子に腰掛けた。



リヴァイ
リヴァイ
お前、あなたと言ったな
あなた

はい

リヴァイ
リヴァイ
姓は?
あなた

あ…私、自分の姓を、知らないんです

リヴァイ
リヴァイ
何故だ
あなた

…私は幼い頃、両親を亡くしました。事件に巻き込まれて、私をかばって…その時はほんとに小さい頃だったので、自分の名前を覚えていますが、姓までは…

リヴァイ
リヴァイ
お前、今いくつだ
あなた

正直分からないんです。私は両親の死後、トロスト区へ移住して…そこから15年経ったのは間違いないんですが……

リヴァイ
リヴァイ
じゃあ、お前は20歳そこらか
あなた

そうだと思います

リヴァイ
リヴァイ
なるほど、理解した



そして、沈黙が流れた。


カーテンがひらりと揺れているのを、じっと見詰めることしか出来なかった。


リヴァイ
リヴァイ
トロスト区…お前の街は、中心部まで壊滅状態だった
あなた

え…



リヴァイ兵長を見ると、私に目は合わせず、宙を見ていた。


リヴァイ
リヴァイ
エレンは、超大型巨人の開けた穴を、巨人になって付近の大岩で塞いだ。俺はちょうどその時にトロスト区に到着して、そいつが巨人の中から出てくるのを見た
あなた

そう、だったんですね

リヴァイ
リヴァイ
兵士も多く巨人に喰われていた。あいつらは消化器官がないから、一定の量の人間を喰うと吐き出すらしいな
あなた

……っ




私は、絶句した。



リヴァイ
リヴァイ
溶けて何か分からなくなった「もの」が、南側に今も多く残っているだろう
あなた

そのなかには、教会にいた人達がいるのかもしれない。

街の店のみんなや、子供たち。

服屋のおばさんや、さっきまで話していた人達。




リヴァイ
リヴァイ
お前が、どれだけ奇妙な存在か、分かったか?
あなた

わたしは…

私は、幸運だったのかな。





それとも、不幸なのかな。






巨人に喰われなかったのが、幸運なのか。


これからの運命が、不幸なのか。





今はまだ、分からない。






リヴァイ
リヴァイ
…その様子じゃ、お前が巨人の仲間かもしれねぇってことは無いな…
リヴァイ
リヴァイ
ただ、お前は、生き延びちまったんだ。この先も死ぬまで生きなきゃならねぇ
あなた

…はい…

リヴァイ
リヴァイ
なら、生きるしかねぇ
あなた

コク…

リヴァイ
リヴァイ
その術は、これから俺が教えていく。お前が兵士になると言うならな
あなた

よろしく、お願いします…

リヴァイ
リヴァイ
まずはその怪我が直るまではここから動くことを禁ずる
あなた

え、はい…っ

リヴァイ
リヴァイ
ゆっくり休んでおけ
穏やかな声色で、リヴァイ兵長は言った。



私は、なんだか不思議な気持ちになった。
あなた

…リヴァイ兵長って…

リヴァイ
リヴァイ
なんだ?
あなた

優しい方なんですね…

リヴァイ
リヴァイ
だぁってろ
あなた

…ふふ…っ

リヴァイ
リヴァイ
何がおかしい?
あなた

い、いえ…っ笑

リヴァイ
リヴァイ
おかしなやつだ
あなた

すみませんリヴァイ兵長…っ笑

私が笑いながら言うと。
リヴァイ
リヴァイ
リヴァイでいい
あなた

えっ、そんな…っ

リヴァイ
リヴァイ
命令だ
あなた

えっ…??め、めいれい…

リヴァイ
リヴァイ
お前はまだ兵士じゃねぇ。そいつに兵長付けられるのはあまり乗り気じゃねぇ
あなた

でも、街の人たちはみんなリヴァイ兵長って……、あっ……

あなた

……め、め、命令ですね…っ

リヴァイ
リヴァイ
ああ
こ、こんな命令もあるのか。



兵士長様は、偉大だ…。
あなた

命令とあらば……、リヴァイ……さん…

リヴァイ
リヴァイ
あなた

えっ…お気に召さなかったですか??!

リヴァイ
リヴァイ
ふっ…
あなた

??

リヴァイ
リヴァイ
お前は犬みたいだな
あなた

い、いぬ…っ!

リヴァイ
リヴァイ
ああ、悪くない
あなた

…???

よく分からないけど、気分は良くしてくれたみたいで安心した。

私はちっとも状況が読めてないけど…。








私がうーん、と唸っていると、リヴァイ兵ち…おっと危ない…、リヴァイさんは、何か考え込むような表情をしていた。











それが、その姿が、なんとも綺麗で…切なくなった。






胸の奥の方から、痛みが起こった。






怪我のせいかな。








とても、痛い。




あなた

リヴァイさん…?

リヴァイ
リヴァイ
…あぁ、長居したな
あなた

いえ…

リヴァイ
リヴァイ
また来る
あなた

ありがとうございます




リヴァイさんは、スタスタと部屋を出て行った。




今度こそ、1人になって、少し寂しくなった。


ベッドに寝転んで、ため息をつく。







今日は、たくさん話し過ぎて疲れてしまった。



横たわるとすぐに眠気が来た。



まだ身体が本調子じゃないみたいだ。












あなた

生きなきゃならない…か…

そうだ。


生きなきゃならない。



私は、生きている。






亡くなったみんなのことを、私は覚えている。




みんなを忘れないように。


心の中に、留めておくんだ。





そうして、生きなきゃいけない。













私の人生は、ここから始まるのだろう。

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姫乃
姫乃
受験を控えてますので、気分転換に書いています。 不定期ですがよろしくお願いします。
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