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第8話

人類最強
そうは言ったものの、後頭部を打ったため、頭がガンガンと痛んで来た。
あなた

…いっ…



そんな私を見てか、彼が私の腕を掴んで、自らの身体へ回した。
しっかり掴んでろ。身体も預ければいい
あなた

あ…ありがとう、ございます…

冷たい言い方だけど、気を使ってくれているのがわかった。

私は言われた通り、両腕を彼の腰に回して、身体をつけた。


幾分か振動が弱くなったように感じる。












エルヴィン
あなた

私が痛みと戦っていると、いつの間にか調査兵団の軍勢に接触していた。

馬に乗った5人の兵士と、荷馬車があった。


「エルヴィン」と呼ばれて、その中の1人が振り向く。


エルヴィン
エルヴィン
…ほう…

エルヴィンさんは私を見て、目を見開けた。



私は、なんだか目を逸らしてしまう。

その代わりに、前の彼の背中に頬を付けた。
えっ!なになに!?女の子!?



1人の声が響いた。

ハンジ、お前は黙ってろ
ハンジ
ハンジ
えぇーなにさぁ…


ハンジと呼ばれた女性は、頬を膨らませ、落胆した。

女性だけどちょっと中性的な人。


エルヴィン、トロスト区の帰還は無理だ
エルヴィン
エルヴィン
やはりそうか。
ああ、こいつは襲撃されたトロスト区から巨人に乗って来た。もう侵入しているらしいな
ハンジ
ハンジ
やけに巨人が少ないと思ったら、そういうことか…
エルヴィン
エルヴィン
その子の話は帰ってから聞こう
あなた

……

エルヴィン
エルヴィン
これより、ウォールローゼ東区カラネス区への進路変更、及び撤退。左右に分かれ各班に伝えてくれ
兵士
了解!
エルヴィンさんの命令で2人の兵士が左右に分かれて進んで行った。

またエルヴィンさんは筒のような物を取り出し、銃に取り付け、彼の右手頭上に撃った。

すると緑色の煙が上った。


やっぱり進路変更の時に使う物だったんだ。


こいつを預かってくれ。全身を強く打ってこれ以上は馬には乗れねぇ
ハンジ
ハンジ
わかったよ、荷馬車に乗せよう


彼が馬を下りて、私に手を差し出す。



私は手を伸ばしてその手を取ると、彼は私の腕を首に巻かせた。

あなた

あ…


そのまま私を引っ張り、馬から下ろす時に、私の脚に腕を通し仰向けにして、また軽々と抱き上げてしまった。

ハンジ
ハンジ
うわあぉー!いい男だねぇ!笑
黙れクソメガネ
あなた

…///

なんか恥ずかしくなってきた…。






彼は私を荷馬車の上に乗せると、エルヴィンさんのところへ行った。





エルヴィン…たしか、調査兵団団長はエルヴィン・スミスという名前だったかもしれない。


あの人が、兵団のトップ……。




ハンジ
ハンジ
怖かったでしょ、巨人 
あなた

あ…、…はい…

ハンジ
ハンジ
でももう大丈夫だよ!壁の中へ帰してあげるからね
あなた

…ありがとうございます

ハンジさんは着ていた隊服を脱いで、それを荷馬車の床に敷き、寝転がれるようにしてくれた。

そして馬に乗った。






お前はエルヴィンと帰還しろ
彼が馬に乗ってこちらに来た。

私は少し不思議に思って問うた。
あなた

……一緒に帰らないんですか?

俺はトロスト区へ応援に向かう。状況が分からねぇからな。住民の避難も遅れているかもしれねぇ。だろう?
あなた

…コク

たくさんの人が、トロスト区にいた。

襲撃から何時間経ったか分からないけど、もう手遅れかもしれない……。
あなた

あの…!

なんだ
あなた

あなたは…

リヴァイ
リヴァイ
…リヴァイだ
あなた

リヴァイ……、…リヴァイ兵長…

リヴァイ
リヴァイ
ああ





人類最強の男。

そんな別名を持つ、存在。




立体機動装置を使いこなし、鳥のように宙を舞っていた姿が、脳裏に焼き付いている。



私の命の恩人。


あなた

ありがとうございました…

リヴァイ
リヴァイ
なんだ、急に
あなた

生きてて、よかったです…

リヴァイ
リヴァイ
…そうか





彼はそう言い、手綱をさばき、馬を走らせていった。







どうか、無事で。






人類最強の男に、そう思った。

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姫乃
姫乃
受験を控えてますので、気分転換に書いています。 不定期ですがよろしくお願いします。
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