「もう夏が終わるな」って
感じたのは何時の事か
気は散って 雪は灯って
もう廻ってこないだろう
君がくれたこの欠片は
未完成のままで
僕を呼び起こして
初めて映る景色はどこまでも
虚しくなるほど穏やかで
笑っちゃうくらいに寂しくて
何かが足りない気がしないでもないのに
このまま残しておきたくて
嘘みたいに晴れた空で
愉快に心鳴らしてさ
ずっと
そんな世界で二人きりでさ
「綺麗な景色だな」って
何を見て思ったことか
日が点せば 眼も狂う
どれが本物か分かんないよ
君がくれたこの一瞬は
僕の心を変えたままで
此処で生きられないよ
君が居なきゃ僕は無いよ
怖くなるほど優しくて
泣いちゃうくらいに哀しくて
何もかもなくなるのは嫌なんて
僕はやっぱりどうかしてるね
噂の通りもどかしくて
馬鹿みたいに叫んだってさ
きっと
こっちは世界から視えないんだろう
雪が溶けて流れ
新しいはずの風吹く
散る花舞っては
僕の元へ落ちた
綺麗じゃない景色
聞こえないはずの叫び声
無いモノにはしたくない
どれもこれも
僕と君のモノだと想っていたい
君がくれたその景色は
未完成のパズルみたいで
1ピースがどうしてか無くて
探せなくなってしまってたんだね
虚しくなるほど無力すぎて
笑っちゃうくらいに馬鹿すぎて
何も君にあげられるものはないのに
君は傍に居てくれて
嘘みたいに晴れた空が
愉快な程躍らせてる
さあ、此処で
僕らの世界を
欠片を探しに行こうよ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。