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第12話

11.
画面越しの彼が笑う
目元しかわからなかった彼が素顔で
こちらに手を振り笑う


優しいクシャっとした笑顔の
あの瞳はそのままに
いや、さらに優しくキラキラ輝いてみえた  

それに落ち着いた声もよくよく聞けば彼の声そのものだ

スマホを持つ手が震える
ミナ
ミナ
ねぇ、大丈夫?
気がつくとミナが心配そうに私を覗きこんでいた
あなた
あなた
ミナ、ミナ、どうしようっ
言葉にしていいか迷う

けれど自分だけで受け止めるには
信じられないことが現実に起こっている

ふいに目に入った閲覧数はすごい数だ

すごいの基準はよくわからないが、きっとすごい数だ

あなた
あなた
あのね、ミナ、どうしようっ
ミナがうんうん、と頷きながら私の両肩に手をあててそっとさすってくれた

あなた
あなた
あの、ね
そんなミナの温かさに少しだけ落ち着き
言葉を一つづつ絞り出す
あなた
あなた
この人、信じられないけど、
まだぜんぜん信じられないんだけど

私の、好きな人、好きな人だ よ
最後のほうは胸がいっぱいで声にならなかった

そして声に出したことで
ミナに伝えて、自分にも言い聞かせたことで

これが何かの悪い夢ではなく現実なんだということをハッキリと実感した

ミナ
ミナ
、、え?そ、の?顔も知らないとか、の?
え  ピリなの、、そんなこと。。
そんなことある?とミナは言いかけて口を開いたまま信じられないと手で口を覆った

大きく見開いた目を私に向けて画面を指差して
この人?と頷いてみせた

私も頷き返すので精一杯だった



こんな形で彼のことを知ってしまった

知りたくなかったワケじゃない

少しづつ知っていけたらと、
次に会えた時は頑張ろうと決心したのに


ー次に会ったらどんな顔をすればいい




彼はアイドル

友達が好きなアイドルグループの中の一人

Stray kidsのフィリックス


彼に壁を感じた理由がわかった

彼は私とは住む世界が違う人
違う宇宙の人


私が彼の宇宙に住めることなんてあるのかな

私みたいな一般人を相手にしてくれるなんてことがあり得るの?


ただの片思いだったはずなのに

急に全部が遠くなるのを感じた
足先が冷えていくのがわかる


画面越しのリクスさんが
ハートマークを作り愛していますと
こちらへ投げかける


チャットは大騒ぎだ


その言葉は
今画面越しにいる私にも投げかけられた言葉だ


なのに届かない

少しも嬉しくない
あなた
あなた
どうして、、?


私が越えなければいけない壁はとても高い

行きたかった宇宙は遥か遠く彼方に

遠く遠く遠く


どんな望遠鏡を使っても見ることすらできない
最果ての先のさらに果てにある

そう思った









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