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第8話

7.
人生というものは思った通りには行かないものだ
大人はよく言う

私もそう思う
人生というものにはシミュレーションなど通用しない

ピリ
ピリ
これも可愛いね
なんで、なんで私は彼とぬいぐるみを眺めているのでしょうか






ー30分前



今日はいつもよりバイトが早く終わって
ちょっと街をブラブラして帰ろうと思いたった

行きつけの文房具屋で足りなくなりそうな絵の具を買って、新しい筆が欲しいけど高いなーなんて思ったりして。

それから雑貨屋の前を通りかかった時に奥の壁に置いてあるピンクのぬいぐるみが店の外から見えたのだ。

あ、ミナが好きそう

単純にそう思って、なんのキャラか気になるなぁ
せっかくだから見ておくかって、軽い気持ちで店に入った。

壁の上の方に置いてあるぬいぐるみはとても大きいし、高いところにあるから手が届かなかったけれどその少し下くらいに同じ形のものがあるのを発見した。

この高さならギリギリ届くなぁ
あなた
あなた
よいっしょ、、っと
イケると思ったが計算違い

つま先立ちで中指が触れることができるが掴むことができない
指はカリカリとぬいぐるみに擦り、けっこうキツい
あなた
あなた
あっあと少しなんだけどな、、
ピリ
ピリ
これでいいですか?
背中から声と共にスッと腕が伸びて
ヒョイとぬいぐるみが横を通る

あなた
あなた
あ、ありがー
振り向いた先にいたのは彼だった
ピリ
ピリ
あ、店員さん
あなた
あなた
どうも、ありがとうございます!
こんなところで会えるなんて、、
すごくラッキーかも!

ぬいぐるみを受け取り両手に持つ
ピリ
ピリ
いえ、今日はもう終わりですか?
あなた
あなた
はい、今日は早くバイトが終わって、ブラブラ、、
ピリ
ピリ
そうですか。そのぬいぐるみ可愛いですね
会話が続いてくれることが嬉しい
あなた
あなた
そうですよね、友達が好きそうと思って、、気になったので。取って頂いてありがとうございます!
ピリ
ピリ
いえいえ。そうですね、店員さんはー
彼は棚に飾ってあるぬいぐるみを見渡し
水色のペンギンを指差してコレかな、と
ピリ
ピリ
貴方っぽい気がします
とニコリと笑ってみせた。


ーどくん、、と心臓が高鳴るのがわかる


あ、何週間ぶりの彼だろう

そして

好きと自覚してから初めて会う



ピリ
ピリ
これも可愛いね
彼はリスのぬいぐるみを手にとり笑う


名前だー

名前を聞くんだ、ミナからのミッション
そして私の望み。

なのになんで、突然こんなことになったのか

いや、お店にくるのも突然なのは突然なんだけれど
こんなのダメダメなシミュレーションの中にさえなかった。

ど、どうしよう
名前

名前だ

名前!!
あなた
あなた
名前、わたし、あなたっていいます、、
名前、聞いてもいいですかっ、、?
勢いあまって階段を何段もすっ飛ばして
本題に入ってしまった

早口だったし、いろいろやらかした、ヤバい

目が見れない、、
ピリ
ピリ
ーーー
そこには確かな沈黙があった

め、迷惑だったのかも、不安になり恐る恐る目を向けた


彼はチラっと周りを気にするような仕草をして
から耳元で優しく
ピリ
ピリ
リクス、リクスって呼んで下さい
と教えてくれた。

ーあれ?
たぶん本名じゃない、あだ名かな?
一瞬考えたけれど

けれど嬉しい!!
ニコリと

あなた
あなた
リクスさん、、
嬉しさのあまり恥ずかしいのも忘れて笑ってしまった
ピリ
ピリ
ふっ
何故か彼は笑った
あなた
あなた
その時

こちらの方に何人かの女の子たちがやってくる気配がした

「ほんとだよー、似てたってー」
「こんなとこにいるワケないじゃん」
ガヤガヤと騒がしさが近づいてくる
ピリ
ピリ
もう行かないと、それじゃあ、また。
あなた
あなた
あっ
彼はサッと背中を向けると人が来ている方とは別のほうへ行ってしまった。


ー忙しかったのにお喋りしてくれたのかな


リクスさん


心の中で呼んでみる

名前を知ることができて、お喋りできた

 今日はなんていい日なんだろう




ピンクのぬいぐるみは買わなかった


そのかわり、私っぽいといってくれた青いペンギンを思わず買ってしまった。
(ごめん、ミナ)

今日から枕元に置いて一緒に寝よう。


いい夢が見れそうだ。