第33話

幼馴染じゃいられない
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2019/01/14 15:48
あんなに優しかったシゲの、背中をただ見つめて歩いた。
屋上に着いて、先に口を開いたのはシゲで...
大毅
大毅
で、話ってなに?
あなた

えっと、あの...

なんて切り出したらええか分からずあたふたしとったら、
大毅
大毅
話さへんなら戻るで
あなた

え、ちょっと待って!

シゲのそでを掴む。
大毅
大毅
じゃあはよ話して?
あなた

分かった。

呼吸を整えて話し始める。
あなた

シゲ、私のこと嫌いになったん?

大毅
大毅
え?
あなた

私、シゲに何かした?したなら謝る。

大毅
大毅
別に、何もされとらんけど…
あなた

じゃあなんで最近私に冷たいん?

そでを掴む手に力がこもるのに、ふるえてる。
大毅
大毅
それは...
あなた

ほんまのこと言ってや!シゲに急に冷たくされて不安になってんねん!望に優しくされても、素っ気ない返事ばっかりしてまうし...

大毅
大毅
そんなに望が優しくしてくれとるんなら俺なんかより望と一緒におればええやろ!
あなた

なんでそんなこと言うん?私はシゲと望と三人でまた笑いたいねん

大毅
大毅
お前だってほんまは俺が邪魔やったんやろ!
あなた

そんなこと思っとらん!

大毅
大毅
嘘つけ!ほんまは望と二人がええのに、ただの幼馴染の俺なんか邪魔やったやろ!
あなた

私そんなこと言っとらんやん!私は...!

「素直になりなよ。」
奈那のあの言葉が蘇る。
私の中のほんまの気持ちが溢れてきて...
あなた

私は...シゲと二人がええ!

大毅
大毅
え?
あなた

シゲが好きやもん!

大毅
大毅
は?
ビックリした顔のシゲ。







あ〜ぁ、言っちゃった。

でも私もう...幼馴染じゃいられないから。

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