あれから二日後、シゲは退院した。
骨折などの怪我はないが、痣や傷がまだ残っている。
シゲは俺の恋敵やけど、その前に大事な親友や。
あんな目に合わせたヤツらを、俺は絶対に許さへん。
なんて考えながら、コンビニまでの夜の道を一人で歩く俺。
さすがに夏でも夜だと気温が低いもんやな。
余裕ぶっこいて薄着できたのが間違いやった。
目の前にコンビニの明かりを見つけたとき、
あの日と同じ、聞き覚えのある声がして角を覗く。
そこには、4人の男と大嫌いな神山美羽がいた。
何か封筒を渡している。きっと金だろう。
確かに聞こえた「望」という名前。紛れもなく俺だ。
自分の名前が出ると、余計に気になってしまうのが世の常である。
さらに耳を傾けてみるが、
アイツらがこちらに向かって歩いてくる気配がして、俺は知らないフリしてコンビニに向かった。
アイツらは絶対、シゲを襲った犯人に違いない。
でもきっとあなたに言ったら、無理して突き止めようと一人で行動するだろう。
ここは俺が、一役買って出るとするか。
次の日、俺は神山美羽を問い詰めることにした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。