蘭子はしぶしぶ。といった感じに遊園地のチケットを2枚出した。ペアチケだ。
蘭子は昨日、私と別れた後に優人君と会って、そこでの話を話し出した。
あら、私にしてはいいこと言ったんじゃなあい?
そう、蘭子はチャラい人が苦手。
そして、その蘭子に想いを寄せてる彼。優人君は学校でも有名なぷれいぼーい。
嘘です。それもあるけど、私はそのB組にいる晴人に会いたいの♡
クラスメートが次々に席に着く。
チャイムが鳴った。
授業の始まりだ。
▶︎優人side◀︎
授業が始まってもなんも頭にはいってこない。
まぁ、元から授業はあんまり聞いてないけど。
晴人が小声で話しかけてきた。
学級委員を務めてる晴人が授業中に話しかけてくるなんて滅多にない。
小声で聞き返す。
会話終了。晴人はもう授業モードに戻っていて、その集中力はなんなんだと問いかけたくなった。
ポツリとつぶやいた独り言と同時に窓に結露していた水が一滴ポタリと落ちた。
▶︎実花side◀︎
隣のクラスに向かう。
少し可愛めに叫んでみた。
だって、優人君の隣には晴人がいたんだもの。
誰だって好きな人の前では少しでも女の子らしく、可愛くいたいものよね。
蘭子を前に押し出す。
優人君の顔が蘭子を捉えた瞬間赤くなったのを私は見逃さなかった。
蘭子が手と手を合わせて必死に謝る。
私みたいに頑張ってぶりっこしなくても、
蘭子は謝ってる姿まで可愛いなんて、、
神様は不平等すぎるっ!
蘭子に耳打ち。
優人君の顔はもう、りんごレベル。
蘭子さんハイパーダッシュ。
ふと、顔真っ赤にして、ラインのアドレス書いてあるメモ見つめてる優人君の後ろにいる晴人を見た。
私はにっこり微笑んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。