これは、
私、鈴音愛蘭と
彼、音葉響が
伝説的ユニット“ディソナンス”になるまでの物語。
それは高校2年の夏。
内気で陰キャな私は、一人寂しく高校生活を送っていた。
休み時間、みんなは友達とおしゃべりしたり
校庭で遊んだり。
だけど私は、いつものようにスマホとイヤホンを持って屋上へ向かう。
こんな私にも、好きなことが一つだけ。
それが、
音楽、だった。
人前に立って歌ったりとか
楽器を弾いたりとか
そういうことは出来ない。
ただ、自分で好きなように作った歌を歌うだけ。
私が作る歌は、全部ある人への想いを綴った歌。
幼なじみの音葉響。
明るくて誰からも好かれて
私なんかとは、正反対。
なんで、、
さすがモテる陽キャ。
聞かれて、た、、?
あの歌を、、!?
正直に言うべきか
適当に受け流すか
響は私の頭をぐりぐりと押す。
全く、いつになってもガキなんだから。
不意に、前髪を掻き分けられる。
視界が明るくなり、響の顔が目の前に。
自己中にも程がある。
あなたは何様ですか?ええ?
強いて言うなら、
あなたと私は正反対すぎて
そう、まるで不協和音
釣り合うわけがないじゃない
そんなの言われなくてもわかってる
だけど抱く恋心
君と奏でられたら
君と私、ディソナンス
だれも聴きたくないでしょう?
だからいいの、誰にも言わなくて
ひっそり咲くのもいいんじゃない
君と私、ディソナンス
ハモリ切れないこの音色
私あなたに恋してるって
そんなの、ディソナンス
ノリでOKしちゃったけど!
響の家に行くんだよね、え?
何年ぶり、だろう...
でも
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!