今いるのはステージ裏
前のグループが発表中です
私はちゃんと髪を切った
そして誰にも見られないように登校してきた
君がいればどんなことも怖くない
「次は、2年生の鈴音愛蘭さんと音葉響くんによるステージです、お願いします」
鈴音愛蘭という名前に、少しどよめく声が聞こえた気がする
そりゃそうだよ、私みたいな“陰キャ”がステージに立つ、それも響みたいなと一緒に。
でも、今からの私は私だけど私じゃない。
「君と私のディソナンス」
人前に出ることが恥ずかしいとか
失敗したらどうしようとか
そんな気持ちは吹き飛んでしまった
ただただ歌いたい
この歌を聴いてほしい
君に少しでも近づきたくて作った歌だけど
少しどころかぴったりとくっつけてくれた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!