*会長side*
『…………あなたってほんっっと可愛すぎない?』
り「るぅとくんその言葉今日で7回目。」
こ「違うよ莉犬、9回目。」
僕の言葉に呆れながらコメントを残す2人にムッとしながらもあの子へと想いを馳せる。
最初は面白い子だな、としか印象がなかった。
何かとオーバーリアクションだし、ミスがあって怒れば肩をビクッとさせてハムスターみたいにちっちゃくなるし。
それがいつしか可愛い、と思うようになっただけの事。
ほんと、それだけなのだ。
り「……で?いつ告白すんの。」
『……………する予定なんてないよ、』
こ「るぅとくんの意気地無し〜〜〜」
り「ヘタレ〜〜〜」
『もうっ!!なんなんですか!!!』
いつもは揶揄ったり、意地悪したり、そんなのはお手の物だが、いざ告白するとなったらそんな勇気なんてない。
まあ、この前のきす事件は…………僕の理性がダメだっただけで…………。
り「そいやこの前、理性がどうのこうの言ってたけど、何したの?」
何もう、今ちょうどその事考えてたのに。
莉犬はエスパーか何か??
『別に……何も無いよ…』
こ「嘘だな」
り「嘘でしかないね」
『うるさいよっ!!もう!!』
バレバレ〜〜〜〜なんてにやにやした顔でこちらを見てくる2人。
衝動的に殴りにかかってしまいそうだがすんでの所で辞めた。
僕は暴力をはたらいたりなんてしない。
異論は認めないです。
り「なになに、ちゅーでもした?」
『…………』
こ「え、マジ?」
無言を肯定と受け取ったのか、2人からにじみ出るうそだろこいつ感が半端ない。
だって、僕は悪くない。
あれはあなたが可愛すぎるのが悪い。
目を潤ませ、赤く染った顔で下から見上げられれば、男なんて簡単に理性が吹き飛ぶだろう。
ましてや、好きな子相手だったら。
本当に罪な存在だ。
り「早く告れよ」
こ「そうだよ。じゃないと、奪っちゃうよ?」
『…………………は?』
自分の中で過去一低い声が出たと思う。
そのくらいにはころちゃんの言ってる事にカチンときた。
こ「るぅとくんだって分かってんでしょ、だから遠慮なく行くけど?」
『…………あなたは僕のだから、』
り「俺挟んでバチバチになるのやめてくんない?辛いんだけど、」
ころちゃんの気持ちにはずっと気付いてた。
だからといって譲るつもりなんてさらさらない。
あなたをはやく、僕だけのものにしたい。
それをする為の勇気を身につけるのには、まだまだ時間がかかりそうだ。
それでも僕の事を意識させるのは容易いだろう。
────絶対堕としてみせるから、
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。