急に来て私を呼んで。来るのが遅いから文句ってどれだけお子ちゃまなのか。
サラリと流された気がする。
聴いてからって、私音楽詳しくないんだけど。先輩が今まで弾いていた曲は難しそうなクラシックばっかりだった。
音楽室について、先輩はピアノの前に座る。先輩が弾いた曲は私が知っていて、唯一弾ける曲だった。
先輩の横顔は真剣そのもので、でも何処か楽しそうな顔をしていた。
そんな意味だったんだ。てか、私そんな曲を先輩に。自分から告白してるみたいで恥ずかしい。
ほんと今更過ぎて笑えてきます、先輩。
私は初めてあったあの時から気になっていた。私と先輩の出会いは、演奏者と観客。そこから、私は先輩の音楽を聞くために嫌いだった学校にも通うようになった。
好きにならない方がおかしい。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!