第5話

秘密にしたいから
1,549
2019/07/16 12:17
あなたは紗夏をおいて急いで家に帰った。

なんで泣いてしまったのが自分でもよくわからない。

…最初から好きになっても無駄だって分かってるのに…?

なんだか気分がよくない。
病気、どれぐらい進行してるんだろう…
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翌日

私はまたいつもと同じくらいの時間に学校に来て、教室に向かって廊下を歩いていた。

すると、
??
あ、あなただ!
あなた
あなた
はい?
振り向くとそこに居たのは元カレの涼太くんだった。
涼太(リョウタ)
涼太(リョウタ)
あなた、ひさしぶり!
学校が同じでもクラス違うとなかなか会わないもんだね〜笑笑
あなた
あなた
そうだね〜笑笑
今度またカラオケでも行こうよ笑笑
涼太(リョウタ)
涼太(リョウタ)
いいね!もうすぐ夏休みにもなるし都合合わせて行こう!
涼太くんとは別れたけれど、今でもカラオケとか一緒に行くこともあるし遊びに行ったりもする。家族以外で病気のことを知ってるのは涼太くんだけだしわかってくれるから。

別れても仲良くしていられるのは嬉しい。
涼太(リョウタ)
涼太(リョウタ)
それと…、病気はどうなの…?
この前体育館で倒れたって聞いたけど…
あなた
あなた
あぁ、知ってたんだ。
多分大丈夫だよ。少し体調が優れないけど。
涼太(リョウタ)
涼太(リョウタ)
そっか…、俺らはもう別れたけど無理しないでいつでも頼れよ!
あなた
あなた
うん、ありがとう!頼りにしてます笑
すっごく優しいなってずっと思ってた。

私の病気さえなければよかったのに…。
北人(ホクト)
北人(ホクト)
あ!あなたさん!
おはようございます!!
あなた
あなた
北人くんおはよう!
廊下の少し遠くで北人くんが手を振っていた。
涼太(リョウタ)
涼太(リョウタ)
…あれは?同じクラスの人?
あなた
あなた
そっか。涼太くんもまだ同じクラスになったことないんだっけ。今年はじめて同じクラスになった北人くんだよ。
涼太(リョウタ)
涼太(リョウタ)
そうなんだ。まあとりあえずなんかあったら言えよな!じゃあまた!
あなた
あなた
ありがと、またね!
涼太くんが自分の教室へと去っていった。
それの入れ替わりのように北人くんが私の元に駆け寄ってきた。
北人(ホクト)
北人(ホクト)
今日もはやいですね!笑笑
さっきの人は誰ですか??
あなた
あなた
元カレの涼太くんだよ。
今でも仲良くしてるんだ〜笑
北人(ホクト)
北人(ホクト)
も、元カレ…。早く教室行こ。
あなた
あなた
うん?そうだね。行こっか。
なんか北人くんの反応は変だったけど、どういう意味だろう?

私達は教室に入った。
あなた
あなた
(なんだか今日はやっぱり体調がよくない…。やばいかも…。)
すごく息苦しい。病気のせい?
悪化してるのかな。

でもまだ秘密にしておきたい。
最期までみんなと悲しんでいるのは嫌。
北人(ホクト)
北人(ホクト)
あなたさん?顔色悪いけど…大丈夫?
ほら。やっぱり心配するよね。
だけど、まだ秘密にしておきたいから。
あなた
あなた
ううん。大丈夫だよ。
ちょっと貧血気味なのかも。
北人(ホクト)
北人(ホクト)
無理しないで、俺に頼って?
あなた
あなた
ありがとう
だめだよ、もっと好きになっちゃう。
私は近いうちに死ぬのに…
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…私はまだ、病気がどれだけ自分の体を蝕んでいるのか知らなかった―――。

To be continued🥀

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