あなたは紗夏をおいて急いで家に帰った。
なんで泣いてしまったのが自分でもよくわからない。
…最初から好きになっても無駄だって分かってるのに…?
なんだか気分がよくない。
病気、どれぐらい進行してるんだろう…
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翌日
私はまたいつもと同じくらいの時間に学校に来て、教室に向かって廊下を歩いていた。
すると、
振り向くとそこに居たのは元カレの涼太くんだった。
涼太くんとは別れたけれど、今でもカラオケとか一緒に行くこともあるし遊びに行ったりもする。家族以外で病気のことを知ってるのは涼太くんだけだしわかってくれるから。
別れても仲良くしていられるのは嬉しい。
すっごく優しいなってずっと思ってた。
私の病気さえなければよかったのに…。
廊下の少し遠くで北人くんが手を振っていた。
涼太くんが自分の教室へと去っていった。
それの入れ替わりのように北人くんが私の元に駆け寄ってきた。
なんか北人くんの反応は変だったけど、どういう意味だろう?
私達は教室に入った。
すごく息苦しい。病気のせい?
悪化してるのかな。
でもまだ秘密にしておきたい。
最期までみんなと悲しんでいるのは嫌。
ほら。やっぱり心配するよね。
だけど、まだ秘密にしておきたいから。
だめだよ、もっと好きになっちゃう。
私は近いうちに死ぬのに…
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…私はまだ、病気がどれだけ自分の体を蝕んでいるのか知らなかった―――。
To be continued🥀
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。