あなたside
北人がついていてくれたおかげでよく眠れた。
起きると、まだ北人が抱きしめていてくれた。
検査終了
病室に戻ってくると北人は外を眺めていた。
横顔があまりにも綺麗すぎて、私は見とれていた。
北人とも離れないといけないなんて……
北人はバイトや家の用事もあるので、一旦帰っていった。
1人になった病室はあまりにも静かで、
1人取り残されてるような気分になった。
私は眠りに堕ちた。
──────────
数時間後
プルルルルル…
スマホに北人から電話がかかってきた。
北人がやってきた。すっごい可愛い笑顔。
それから私達はたわいもない話をした。
バタンっ
私はベッドに倒れてしまったみたい。
薄れゆく意識のなか、北人の焦った顔が見えた。
──────────
北人side
あなたは目を開けない。
あなたが死んじゃう!!!
お医者さんを呼ばないと……!!
そのあと、応急処置をされたあなたは違う病室に運ばれた。
俺はあなたが寝ているベッドの横に腰掛けた。
眠っているみたいに安らかな表情のあなた。
酸素マスクをつけていてやっと息をしている。
気づけば、俺は泣いていた。
涙を流すなんていつぶりだろう。
あなたは目を開けない。
それでも俺は話し続ける。
俺は気づいたら寝ていた。
次の日
あなたは昨日と変わらず眠ったように目を閉じていた。
俺は生きていることを確かめるみたいに、あなたの頬に触れた。
まだあなたは生きてる。
俺が諦めてどうするんだよ、あなたは死なない。
そして、昨日みたいに俺はずーっと話しかけた。
だけど、あなたが目を開けないまま、また1日が終わった。
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次の日
そして、俺らはあなたへの曲を作り上げた。
俺はまた、病院に向かった。
病院であなたのとこへ行くと、紗夏と涼太と颯太がいた。
颯太が泣きそうな顔であなたに話しかけている。
すると、
奇跡って起きるんだな、
パチパチッ…
あなたの目が微かに動いたと思ったら、あなたから声がして―――――。
あなたは遠くに目をはせて、静かに話す。
紗夏や颯太、涼太は目に涙を浮かべてあなたを見守っている。
あなたは少し苦しそうに酸素マスクごしに話してくれる。
あなたは話し続ける。
すると、あなたは俺の方に涙が溢れた目を向けて言った。
あなたの顔は生気を失うように白くなっている。
あなたは苦しそうに顔を歪めながらいう。
どんどんあなたの脈は遅くなっていく。
あなたが死んじゃう!!!!
あなたをみんなが必死に呼びかける。
まだあなたは…死なない、よな…?
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To be continued🥀
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。