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第3話

そらるさんと息抜き ①
「クレープ食べに行くか」

あなたが参考書を解いている間、スマホをいじっていたそらるが唐突に言った。

「え?」

「ここ半年くらい来てなかったクレープの屋台が久しぶりに来るらしい。まふまふも昨日行ったっぽい」

そらるが見せてきたスマホの画面には、誰かのインスタの投稿が表示されており、控えめに笑うまふまふと満面の笑みの坂田が映っていた。

「本当ですね。坂田くんめっちゃ笑顔……」

ぴく、とそらるの指が微動する。

しかしそらるはあなたの発言に対して何を言うこともなく、スマホを自分の方に戻して淡々と続けた。

「だから俺らも行くかって話。お前クレープ好きって言ってたし」

「覚えてくれてたんですか!?ありがとうございます、めっちゃ好きです行きたいです!」

その瞬間、そらるが明らかに動揺した。

あなたは不思議そうにして尋ねようとするが、席を立ったそらるを見て慌てて勉強道具の片付けを始めた。

それでシャーペンを落としてしまい、「ああっ!」と分かりやすくショックを受ける。

そらるがふっと口元を緩めて、シャーペンを拾い、あなたに渡しながら反対の手で彼女の頭に手を置いた。

「んな焦らなくて大丈夫。お前が片付けてる間に電気消そうと思っただけだから」

普段より幾らか楽しそうな笑みを浮かべ、そらるは優しくあなたの頭を撫でる。

彼が踵を返して電気のスイッチがある場所へ向かった時、あなたは教室に射し込む夕日のように顔を赤くしていた。





「あなた、俺らもインスタあげようぜ」

「いいですよ!でも私インスタやってないので、そらるさんのアカウントだけであげることになりますけど……すみません」

「なんで謝んの。いーよ全然。撮ろ」

「……はい!」

そして、それぞれクレープを片手に持つそらるとあなたのツーショットがそらるのインスタにあがった。



「なっ!?そらるさん羨ましい……!ていうかずるい!!」

投稿を目にしたまふまふが羨望と嫉妬のこもったいいねを押したのは、また別の話。