第39話

#5♥
1,919
2019/07/31 09:50
そしてついに待ちわびた県総体の日、朝早くから新幹線に乗って宮崎に行った。
そしたらまたあなたちゃんからの留守番電話に気づいた。
あなた
「もしもし、あなたです。今日ついに県総体の日です。陣さんがいたからここまでこれました。ずっとベスト4を目標に頑張ってきました。絶対今日勝ちます。いい結果を報告します!だから終わったらお疲れって言ってください!じゃあいってきます」
なんとか試合には間に合って
吉野北人
吉野北人
(あなたちゃん、頑張れ)
念力を送った。
少し見ただけでも分かった。


あなたちゃんはチームの要だった。
だからディフェンスも2.3人行くようになっていて膝の調子が心配でしかたがなかった。
残り時間10秒でボールは相手にある。


点差は2点。
相手のボールをあなたちゃんがカットした。


だけど相手が2人帰っていてスリーポイントが打てない。


だけどラッキーなことに1人はリング下にいる。


1人をぬいてファウルをもらうようにリング下のディフェンスにあたりながらレイアップを打った。
ピーッ
笛とともにボールはリングに吸い込まれた。
審判「カウント、ファウル白6番、フリースロー」
あなたちゃんは無理のし過ぎで膝はとっくに限界を迎えていたけど必死に踏ん張ってフリースローラインまで歩いて行った。
懸命な姿に胸が苦しくなる。
梨乃「あなたー!!入るよ!!」
詩音「あなた先輩!絶対入ります!」


ベンチ「1本入るでー!!」
チームメイトが声をかけているのが目に入る。


なにか声をかけなきゃって思った時。
あなたちゃんはドリブルを3つしてボールを構えた。
吉野北人
吉野北人
あなたちゃん、絶対勝てるよ
つぶやくような俺の声がでた。
ボールはリングに放たれるときれいな放物線をえがいてリングに音を立てて入った。
全員
…キャー!!!!!
会場は歓声に包まれた。
梨乃「あなたー!!!やったー!!!!!」
みんなあなたちゃんの方へ駆け寄って抱きついた。
吉野北人
吉野北人
よかったね、あなたちゃん…ベスト4だよ…
もう泣きだしてる子もいた。


その涙はあなたちゃんにもうつってみんなにもうつってみんな泣いた。


突然座り込んだあなたちゃんを見て
吉野北人
吉野北人
お疲れ様
そうつぶやくと俺は仕事に行った。

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