第74話

俺の彼女は... 青橙
533
2020/12/29 03:54
てつや「ねぇ、俺と別れてほしい...」
突然の恋人からの申し出にりょうは驚く
今日は4月1日のエイプリルフールでもない
ドッキリにしてはたちが悪い
りょう「何急に、どうしたの?」
そんなことしか返せなかった
てつや「だから、りょうとは別れたい...俺、その...他に、す、きな人が出来た...」
りょう「ふーん...そ」
好きな人が出来た、というのは嘘だろう
目を合わせないし、しどろもどろだし
何かあるな、これは
りょう「んじゃあ別れよっか、今でありがとう」
てつや「っ、うん......」
てつやの目が揺らぐ
握った拳が震えていて、涙を堪えている
りょうはそれを分かっているが、抱きしめるのをぐっと堪えて、部屋から出た
りょう『てつや...』
りょうが部屋から出たら、てつやは案の定泣き出してしまう
てつや「ひっ、ぐ、えっ、///」
泣いている声はりょうの耳にも届いている
りょう、りょう、と仕切りに名前を呼びながら
我慢出来ない
扉の前で待機していたりょうがいても経ってもいられず、部屋の中に戻り、蹲って泣いているてつやを抱きしめた
りょう「ごめん、やっぱ俺無理...てつやとは別れたくない」
ポツリポツリとりょうが言えば、てつやも鼻を啜りながら言った
てつや「俺も、わがれだくないっ、!///」
りょう「じゃあなんで別れたいって言ったの?」
てつや「コメント欄、みで、りょうくんには、美人なお嫁さんが、ピッタリだね、とが、綺麗な人がお似合いだっで、ががれてだがら、俺、美人でも、ないじ、女でもないがら、子どもも、産めないじ、だがらっ」
涙でぐちゃぐちゃな顔を拭う
こんなに泣くのなんて初めて見た
りょう「バカだなお前、俺はてつやが好きだから一緒にいんだよ、だいたい好きでもないのに抱いたりキスしたりしないから」
てつや「でも、」
りょう「はいはいもう泣かない、コメントなんか無視しとけ、俺の彼女はてつやにしか務まらないよ」
てつや「ほんとに?」
童顔に近いてつやが涙を溜めて、りょうを見上げる姿はぐっと来る何がある
りょう「ほんとだよ」
てつや「っ、嬉しい///」
気が抜けて笑顔になり、不安も消えたてつやを愛おしく感じて、りょうはてつやを抱きしめた
りょう『あーもー俺の彼女可愛い...』







プリ小説オーディオドラマ