第90話

マネージャー 緑橙♀·青橙♀
458
2021/03/15 01:49
てつや「おつかれさんとしみつ!はいスポドリ」
ぐでぇ、と野球部での一通りの練習を終え寝転がるとしみつを見下ろしているジャージ姿のてつやは、スポーツドリンクが入っている水筒をとしみつに手渡した
としみつ「さんきゅう」
てつや「こまめに水分補給しないと倒れちゃうからね?」
としみつ「分かってるって」
そう言い残し、てつやは他の部員にも水筒を渡しに行った
なんでてつやが野球部のマネージャーみたいなことをしているのか?
元々陸上部のマネージャーをしていたてつや
本来の野球部のマネージャーが急用で行けないことを知った野球部顧問が、たまたま通りかかったてつやに代わりをやらせている
なんともまぁ強引だこと
としみつ『でも...』
普段は髪を結ばず、部活の時だけポニーテールに結ぶてつやを遠目からしか見れなかったし、こうやって近くで見れて嬉しい
としみつ「あーあ、このまま野球部のマネージャーしてくんねぇかなぁてつや...」
そうすればやる気だって起きる、てつやにカッコいいところを見せたいから
りょう「何バカなこと言ってんだよ」
聞き慣れた幼なじみの声がした
陸上部のユニフォームに着替え、練習が終わったのか、りょうはとしみつのそばに来ていた
陸上部と野球部の練習場所は隣同士だからすぐ来れる
としみつ「何しに来たんだよりょう...」
りょう「うちのマネージャーの一人がいつまで経っても来ないから探してたんだけど、まさか野球部のマネージャーとして手伝いしてるとは思わなかった」
としみつ「羨ましいか?」
りょう「別に、アイツは俺らのマネージャーだから」
目線の先には、使ったボールの数を数えているてつや
慣れている
としみつ「俺だけのマネージャーとかになってほしいな...」
りょう「それマネージャーじゃなくて彼女じゃんww」
としみつ「てつやなら良いよ、俺はアイツのこと好きだし」
友人として、そして恋愛対象として
りょう「だろうね、でも残念」
風が強く吹いて、二人の髪をなびく
りょう「俺も好きだから」
としみつ「...だろうな」
りょう「としみつには負けないよ」
としみつ「俺だって、りょうには負けない」
二人の視線の先は変わらずてつや
そんなてつやがとしみつと、そばに同じ陸上部として一緒に活動しているりょうを見つけて、笑顔で手を振った
















プリ小説オーディオドラマ