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2022/01/20

第461話

渡した想いは届かず終わる 青橙
てつや「あぁそうだ、これお前にだって.....」
りょう「何それ?」
てつや「分かってるくせに、いつも貰ってるだろ?」
嫌味ったらしく言うてつやは手には手紙を持っていて、それを思い出したかのようにおもむろに取り出しりょうに差し出した
りょう「.......俺に?」
てつや「俺と同クラの女子が、お前に渡して欲しいって....ちゃんと渡したからな」
りょう「それは悪かった、ありがとう」
りょうがお礼を言って手紙を受け取る
ほんとうは受け取ってほしくなんかないから、強めに持っていた手紙を...素直にりょうに受け渡した
強く持っていたせいか、手紙の端がひしゃげてしまっていた
綺麗に渡せず申し訳ない、とてつやは胸を痛めながらりょうに手紙を渡して欲しいと頼んできた女子を思い浮かべる
けど、心の片隅にはそんな気持ちはなく...少し喜んでいる性格の悪い自分がいるのは否定出来ない
なんて俺は最低なやつなのだろう、これじゃわざとひしゃげたようなものだ
りょうはてつやから貰った手紙を眺める
てつや「........中身、見ないの?」
てつやがポツリと独り言みたいに呟くと、りょうはてつやの顔を覗き込んで悪ガキが悪巧みを仕掛けるときの笑顔を見せてきた
りょう「見てもいいの?」
てつや「......見れば良いじゃん、俺には関係ないもん」
りょう「そっか、なら見ようかな」
てつや「ーっ、.......」
りょうが手紙を開けようとしているところを見て、いてもたってもいられずてつやはそれを阻止した
てつや「嫌だっ!!」
パシッ、とりょうの手首を掴んで悲しそうな表情を浮かべるてつやは泣きそうだった
大きな瞳が潤んで、あと少しもすれば感情が爆発して涙が溢れてくるだろう
りょうは苦笑して、手紙を開けるのを止めた
りょう「俺も見ないよ....」
てつや「でもっ、あの子折角りょう宛に書いたのにっ!!!」
りょう「けど.....てつやは見てほしくないんだろ?」
図星を突かれて、てつやは言葉を喉に詰まらす
りょう「手紙で伝えるくらいなら、俺は直接聞きたい...まわりくどいことは嫌いだ」
てつや「りょう........」
りょう「それに、お前がいるしな....」
持っていた手紙をその場に落とし、てつやを引き寄せ唇を重ねるりょう
徹夜はここで我慢出来ず、唇を重ねたまま涙を流した
てつや「ん、///」
りょう「.........俺はてつやが好きだよ」
唇を離すと開口一番、りょうはてつやに言う
てつやは分かってる、分かってるけど...と涙を拭い始める
てつや「ほんとは手紙なんか任されて、渡したくなかった......!!///だってりょうは俺の彼氏なのにっ、///」
どうして俺が渡さなきゃいけないの?貰ったその時点で破ってしまいそうな衝動が駆られ、抑え込んだ
りょうは自分だけのものじゃない、独占欲がある自分に嫌気が差してしまう
りょう「嫌なら今度から断りな、俺も手紙は受け取らないし...告白も受けないよ...こんなに可愛い彼女がいるからさ」
てつや「うん、うん.......///」
泣きじゃくるてつやを慰めようと頭を撫でたり、キスを落としたりとりょうはあれこれしてくれる
落ち着いてきたてつやはりょうに笑顔を見せた
てつや「りょう、帰ろう....?///」
りょう「そうだな....帰ろうか」
りょうは故意的に落とした手紙を拾おうとも、見向きもせずてつやだけを見て手を繋いで二人一緒に帰路についた
また一人、叶わぬ恋に夢を見て想いを馳せる女の子が現れた
その視線の先にいる彼は、もう既に可愛らしい恋人が隣にいて自分のことを見ることもないのに....哀れだな
皮肉にもりょうはそう思ってしまった
隣を歩くてつやを見下ろし、やはりコイツを好きになったのは間違いではないと肩を抱いて自分の方に引き寄せた