第517話

待って募らせて会えたとき 青橙
262
2022/07/07 04:59
七夕にちなんだりょうてつ小説です、長くなりました、またりょうてつです...それでも良いよという方はどうぞ、温かい目で見ていってください...
もっとイチャイチャさせたかった...無念
久しぶりに書いたから変になってしまった、小説ってムズい...今更だけど.....
今度はもっとイチャイチャさせた小説書きたい.....
えちえちって...ありなのかなぁ.....?












りょうはいつもてつやのことを待っていた
どんなにてつやが遅れようがずっと待っていた
撮影の日や買い出しの日の集合時間、...そしてデートの待ち合わせのときもだ
てつやは申し訳ないとは思いつつも、集合時間を守ったことは両手でも数えられるくらい
りょうもりょうで小言は言うし、たまに見下ろしながらくどくどと説教が長いときもあるが、激怒したことは一度だってない
いつもそれが終わったあとは、てつやの頭を撫でながらしょうがないなぁ...と許してしまう
てつやが来てくれるのならそれで良い、とりょうは思っていたから
てつやもてつやで、ちゃんとりょうに遅刻をしてきたことを謝り、そしてりょうがてつやのことをずっと待っていてくれた事実が嬉しくて眉を下げながら笑っていた
りょうもそんなてつやを見て、小さく微笑んでいた





てつや『.......りょうって、いつも遅刻する俺のこと待ってくれるけど、...退屈しないのかな?』
明日のりょうとのデートのための準備を軽くしていたてつやは、ふとそんなことを考えた
てつや『暇したりしないのかな?遅刻してきた俺を叱るけど、変わらずまた俺のことを待ってくれるし.....』
飽きたりしないのかな?とてつやは不思議がり、天井を仰いだ
自分ならまず絶対暇してしまう
いや、待つことは出来るけど....慣れてはいない
なのにりょうはそこんところは完璧だ
遅刻は絶対しない、集合時間何十分も前に集合場所にいる
なぜそこまでして俺を待ってくれるんだろうアイツは....
てつや『.....そうだ、試しに俺が待ってみよう!そしたらりょうの気持ちが分かるかもだし...そんな何十分も前から集合場所にいなくても良いとか言えるし!!』
何十分も前から集合場所にいるのに、集合時間何十分もあとに来る俺を待つのはさすがに面目ない
これは自分がしっかり見に染みてから諭すのが適作だ
てつや『よし、そうと決まれば寝よう!目覚まし時計何個もセットしておこう』
そうすれば早く起きれるはずだ、いやぁ明日楽しみだな~~~、りょうもビックリするだろうな~~、だって俺が自分よりも先に集合場所にいるんだから
りょうはどんな顔をするだろう?どんな思いをするだろう?
そして、俺は...りょうと同じようなことをしていったいどんな気持ちになるんだろう...?
りょうがいつも感じている気持ちを感じることに、なるんだろうか?





何個もなるうるさい目覚まし時計を強引に止めて、てつやは素早く用意をすると、家の戸締まりをしっかりして家を出た
このまま行けば、余裕で集合時間一時間前になる
りょうもさすがに一時間前にはいないだろう、案の定集合場所に指定した場所にはりょうはいなかった
てつや『俺が一番乗りだ、...当然だな』
苦笑して、傍らにあるベンチに腰を下ろし、足を伸ばすてつや
ここからりょうが来るまで待つ
てつやは自分の伸ばした足を見つめている
てつや『......暇だ』
開始五分ですぐに暇になってしまった、ほら...普通はこうなるじゃん
やっぱもう少し遅く来れば良かった、とか思ったよ
スマホを弄ろうかと思ったけど、いつもりょうはてつやを待っているときスマホを弄らない
ただただその場に立って、てつやを待つ
てつやを見つけたときは、遅いぞ...と言わんばかりの顔をする
でもそのときの顔は、少しだけ安心して笑っている顔だった
それを見て、てつやも安心するし嬉しくなっていた
てつや『....暇、暇だけど』
胸がソワソワとして落ち着かない
胸に手を置いても、その不思議な感覚は消えそうにない
次第にワクワクしてきたし、ドキドキもしてきた
これは最初、りょうがどんな反応をするのかワクワクドキドキしているのではない
てつや『まだかな?まだかな?まだ来ないかな?』
ソワソワと落ち着かないてつやは足を世話しなく小刻みに動き、口元が緩んだ
てつや『りょう、早く来ないかな~~....///』
端から見れば変な人に見えるだろう
逸る気持ちに、楽しみにしている態度が表に出過ぎている
てつや『あ、....そっか.....そうだったんだ...』
このときやっと気がついた、...りょうのいつも感じている気持ちが
きっと、おんなじなんだろうなぁ...とくすぐったくなったてつやが照れていると人の気配を感じた
「てつや?」
てつや「お、りょう」
待ち続けた人物は、自分よりも早く集合場所に着いていたてつやを見て目を見開いた
そして何度もスマホや時計をチラチラと見ながらてつやの元に着く
てつや「?なんだよ、携帯めっちゃ見るじゃん...」
りょう「いや、お前が俺よりも先に着いてるから....集合時間間違えたのかと、あと携帯とか時計がズレてるものかと....」
てつや「ひでぇ....」
そんなに言わなくても良いじゃんと頬を膨らませるてつや
りょうは不思議がっている、...スマホも時計の時間もズレてないし、集合時間も間違えてはない
なのに遅刻魔のてつやが自分よりも早く集合場所に着いていた事実が信じられなくてまだ少し動揺していた
それを見てまだムッとしているてつや
でも、しょうがねぇよなぁ...とベンチから腰を上げたてつやはりょうにギュッ、と抱きついた
りょう「なんだよてつや...」
てつや「んーにゃ、たまには待つのもありかなぁ~~なんて」
りょう「はぁ?」
てつや「だってこんなに嬉しいんだもん...」
りょう「........そっか、」
最初、てつやが何でこんな早く集合場所にいたのか...そしてりょうに抱きついて、ニコニコと嬉しそうにしているてつやを見下ろして、てつやの意図が読めた
りょうもてつやの腰に手を回して話し始める
りょう「じゃあこれからもデートのときはちゃんと遅刻せずに来てほしいなぁ」
てつや「うん、......出来たら善処する」
りょう「おい」
てつや「でも待つのだって良いもんだろ?」
てつやがりょうを見上げると、りょうもてつやを見下ろして愛おしそうに目を細めていた
りょう「まぁな、...俺、待つのわりと好きだし...」
てつや「ん、俺も///」
今好きになった
りょう「でもそれとてつやの遅刻の問題は別だ、これからもちゃんとしようね~~てっちゃん」
てつや「えーー....鞭だ、急に鞭!!」
飴の部分一瞬で消えた、と嘆いて足をジタバタとさせ、りょうの腕から抜け出そうとしている
りょう「暴れんなてつや、ちゃんと飴の部分もあるから」
てつや「何処に?」
りょう「夜の営み」
てつや「バッカ!!///夜も鞭だろうが!!!///」
りょう「www」
全くこの変態は、と顔を赤くして睨むてつやが心で思いながらも、笑顔が溢れてしまう
大好きな相手を待つ、そして待てど待てど会いたくなる
ようやっと、会いたかった相手に会えたとき...嬉しくて堪らなかった
待つのも悪くない、...りょうの気持ちもよーく分かった
また今度、りょうを待ってみよう...と決めつつ、きっと負けず嫌いのりょうが今よりもっと早く集合場所に来て、自分は出来ずに終わっちゃうんだろうなぁ、とてつやを見下ろして、ん?とした顔をしていたりょうに不意打ちで頬にキスしてやった......

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