第453話

お揃いのキーホルダー 緑橙
274
2022/01/12 14:25
てつや「この間の休みにゲーセンしばゆーと二人で行ってきたんだけど....としみつにこれあげる」
としみつ「なんじゃこりゃ....?」
てつや「見れば分かるだろ?猿のキーホルダー」
としみつ「キーホルダーにしちゃ、ちぃとばかしデカいんじゃねぇのかこれ?」
そう言って、キーホルダーの紐をプラーンッと掴んだとしみつが見つめる
手乗りサイズの小さな猿の可愛いキーホルダー
アラサーの男がつけるには少し勇気がいるかもな...
てつや「俺とお揃いだよ?」
としみつ「......お揃いでもつけねーよ」
てつや「何でだよ~~...それ取るのすげぇ大変だったんだぞ!小さいのにアームが弱くて苦労したのに....」
としみつ「お前がつける分には全然構わないぜ?でも俺がつけるのはちょっと違くね?」
俺そんなイメージねぇじゃん、ととしみつが言うと、てつやは眉を下げた
てつや「いーじゃん、お揃いでつけたかったのに....」
としみつ「気が向いたらな」
てつや「俺はつけてるよ、?鞄にだけど...携帯は恥ずかしかったからさ」
てつやは自身の鞄をとしみつに見せる
チャックの部分にとしみつとは色違いの猿の可愛いキーホルダーがついている
あぁやはり、そういうものはお前がつけるべきだ
としみつ「まぁ、貰うだけ貰っとく」
てつや「ちゃんとつけろよー...///」
としみつ「へいへい、気が向いたらなぁ~~.....」
てつやから貰ったキーホルダーを手の平に乗せ、小さく笑みを溢したとしみつは眉を寄せながらポケットに大切にしまい込んだ





としみつ「..........」
ゆめまる『ずっとてつやから貰った猿のキーホルダー見てるなとしみつ...』
としみつは自分の鞄につけたあのてつやから貰った猿のキーホルダーをバレないように隠れてチラチラ見ていた
時折溢れる笑みは嬉しそうで、でもやはり恥ずかしいのか眉を寄せたりと...
てつやからとしみつに猿のキーホルダーをあげた話を聞いていたゆめまるはそんなとしみつを見ながら初々なぁとしみつ、と思って温かい目で見守っていた
ゆめまる『としみつはつけないって言ってたらしいけど、結局つけるよねぇ...何だかんだでとしみつはてっちゃん好きだし、嬉しかったんだろうな...』
隠し切れないとしみつのそういう態度は、何故だか高校生同士カップルの青春を見ているようなものだ
てつやに今度こっそり教えてやろう、としみつはちゃんとお揃いのキーホルダーつけてるよって...

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