第77話

だって約束したじゃん 緑橙
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2021/01/01 02:42
としみつは走る
腕時計の時間を見て、舌打ちをした
としみつ「くそっ!!完全に遅刻じゃねぇか!!」
街中を駆け抜けていく
としみつはてつやと出かける用事をしていたのに、いざ目を覚まして時計を見たら約束の時間を三時間もオーバーしていた
急いで準備して家を飛び出してきたのだ
携帯で連絡をしようとしたら電源が切れていて、充電する暇もなかった
だからてつやに連絡が出来ない
とにかく約束した場所に走って行く
としみつ『もう、待っていないかもな...』
そう分かっていても、もしかしたら、という期待が合った
約束した場所の近くで一旦息を整える
としみつ『はぁ、はぁ、ヤバっ、めっちゃ辛い.....』
運動していないから仇だな
ゆっくり歩きながら、約束した場所に目線を行かせる
目を見開いて、驚いた
薄着な格好で、頬や鼻を真っ赤にして、息をはぁ、と吐いていたてつやを見つけた
ベンチに座って困った顔をしていた
としみつはすぐに駆け寄った
としみつ「てつやっ!!」
てつやもとしみつに気づいて、顔を綻ばせた
てつや「としみつっ」
としみつ「ホントにごめんっ、俺寝てた!!気づいたら、時間過ぎてて」
てつや「良かったぁ」
としみつ「は?」
てつやがとしみつを見て笑いながらこう言った
てつや「連絡しても全然既読にならないから心配してた、としみつになんかあったと思って、そう思ったら、不安で」
としみつ「てつや」
てつや「でもなんもなさそうで、ほんとに良かったよ」
としみつ「お前、帰ろうとか、思わなかったの?」
てつや「うん、だって約束したじゃん!としみつなら絶対来てくれるって信じてたもん!!」
としみつ「っ」
寒そうなてつやを抱きしめるとしみつ
てつや「としみつ?」
としみつ「はぁぁぁぁ、抱きたい...」
てつや「いきなり何言ってんだよ!!??///」
としみつの大切な恋人は自分のことを信じてくれてた
それが嬉しくて、それと同時に遅刻してしまう自分が憎かった
としみつ「遅れてごめん、待っててくれてありがとうてつや」
そう言えば、てつやは嬉しそうに顔を綻ばせ、としみつの頬に軽くキスをしたのだった














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