第59話

風邪引いた 2
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2020/12/14 09:28
「「「「「てつや!?」」」」」
てつやが倒れるのを見て、誰よりも早く駆け寄るりょう
倒れる寸前のてつやをりょうは支え、そして抱えた
りょう「てつや!!しっかりしろおい!!」
強く揺すらないで、りょうはてつやに呼び掛ける
出遅れたメンバーも、てつやとりょうの元に駆け寄る
虫眼鏡「てつや!大丈夫!?てつや!!」
しばゆー「てつやっ!!」
ゆめまる「てっちゃん!!起きてよ!!」
としみつ「おいてつや!!!」
他のメンバーも呼び掛けるが、てつやは反応しない
代わりに荒く呼吸をして、顔を歪ませている
咳をする度、苦しそうで辛そうだ
りょうはしっかりてつやを抱え、汗で張り付いている前髪をかきあげて、額に手を当てる
りょう「ーっ、熱い!!」
しばゆー「てことは、熱か!?熱中症だったらさすがにここまですぐに上がらんだろ」
虫眼鏡「もしかしたら、朝から我慢してたのかもね」
ゆめまる「そういえば、試合始める前てっちゃんおかしかったよね、元気が無いっていうか、笑顔が嘘くさいっていうか」
としみつ「確かにな、俺らに風邪引いてんのがバレないように隠してたんだろ」
そのときに気づいて、無理にでも止めれば良かったと、としみつとゆめまるは後悔する
虫眼鏡「とにかく、一旦車に運ぼ!車の方が涼しいし、寝かせられる」
としみつ「そうだな、俺自販機で水とかスポドリ買ってくる!」
しばゆー「俺も行く!!」
としみつ、しばゆーが近くにある自販機で水を買いに行く
虫眼鏡「僕は撮影の機材とか急いで片付けるから、ゆめまるも手伝って!りょうくんはてつや車まで運んで!悔しいけど、僕じゃ運べないから」
ゆめまる「虫さん早く片付けよう!」
ゆめまると虫眼鏡が、撮影で使った機材や道具を片付けに行く
りょうは体制を整え、てつやを抱えながら立ち上がった
りょう「......」
りょうは辛そうに顔を歪めるてつやを見た
りょう『なんで黙ってたんだよ、そんなに俺らが頼りないの?』
そんなことを考え、りょうは車まで歩く
その間、てつやは苦しそうに呼吸をし、震えている
りょう『...気づけなかった』
いつもてつやのことは見ていた
なのに、てつやの体調不良に気づかなかった自分を恨んだ
こんなにも辛いのに、それを隠して、気づく要素なんて、いくらだってあったのに...
りょう『ごめんな、てつや...』
りょうはてつやを見つめながら、車の後部座席に寝かせ、自分の着ていたパーカーをかけた






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