てつや「もしさ、俺がホントにいなくなったら、りょうは探してくれる?」
りょう「どうしたの急に」
寝る前ということで、りょうとてつやは同じ布団に入っていた
しばらく二人で雑談をしたあと、てつやが真剣かつ、悲しそうな表情を浮かべながら小さく呟いた
てつや「ん、ほら、みんな俺のこと結構強く小言言ったりとかするじゃん?だからいざいなくなったとき、探してくれんのかなって」
りょう「てつや...」
みんなが強く小言を言うのは、お前を思っている証拠
なんだかんだ言いつつ、みんなお前が大切なことに、なぜ気づかないのだろう、とりょうは感じた
てつや「なんか、辛気くさくなっちまったな、ごめんなりょう」
申し訳なさそうに困った笑顔でてつやはりょうに謝った
りょうはてつやの頬を撫でる
てつやはりょうの手にすりよった
可愛らしい仕草だ、とりょうが思った
りょう「安心しろよ」
てつや「えっ...?」
りょう「どこにいても、俺がお前を探して出してやる、何年かかっても、探してやるよ...」
それを聞いたてつやは嬉しそうに顔を緩ませ、ゆっくりゆっくりと瞼を閉じた
りょうは寝てしまったてつやの手を握る
りょう『手離すもんか、そんな状況には絶対させない』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。