高校生。
その響きは幼い頃から私を虜にした。
キラキラした世界、華やかな学生生活。
ずっとこの時を待っていた。
…だが。
3ヶ月前ーーー
ねえあなた、お母さんあなたには素敵な男性と出会って欲しいの。
私みたいに焦ってあんな男と結婚してしまわないように。
だからね、高校生になったら東京に行きなさい。
東京に行ったらこの住所の場所まで行って。きっとそこで全て分かるわ。
そして高校生活まで残り1週間。私は例の場所へやってきた。
なんだろう…大きな家?マンション…にしては小さいよね。
あれー?
俺達の家の前でどしたの君〜。迷子?
どうしたの莉犬。
……あれ?この子莉犬の知り合い?
えーなになに莉犬君の彼女?
莉犬やるじゃーん
ちーがーいーまーすー
急に沢山の男の人に囲まれて思わずびくりとする。
実は親が小さい頃に離婚していて母と二人暮しだったので
普段男の人と喋る機会が無く、男の人に耐性が無い。
あ、いや、母からこの住所に行けって言われたんですけど…間違えたみたいです、ね……すみません。
そっかあ〜すごい荷物だけど、今日から東京来て一人暮らし?
気を付けてねえこの辺最近不審者多くってさぁ
するとまた後ろの方から男の人が歩いてきた。
あれ!もう来てたの?あなたちゃんだよね?
これからよろしくね!早く入りな?
……へ?
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