あれからしばらくして。
僕と蓮は無事、僕の家の前に集合することができた。
僕らは気合を入れて家を出た。
しばらく歩くと、学校の門が見えてきた。
たくさんの生徒が門から出てきている。
ここから美樹を探すのは大変そうだなぁ…
僕たちはバレないよう、美樹を見失わない程度に待ってから尾行した。
美樹は学校を出ると、自分の家とは反対方向にある森へと進んでいった。
近所では行方不明になった人もいたという情報があって、子供たちには『妖(あやかし)達の森』と呼ばれている。
どうやら美樹はそこに入ろうそしているようだ。
僕は美樹を呼び止めそうになったので蓮に止められた。
でも、僕を止めている蓮も止めないように必死だ。
さっきの言葉は僕に言っていたけれど、きっと、自分にも言い聞かせているのだろう。
僕は黙って俯いた。
僕には、何もできないのだろうか…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。