なんだろう。顔を赤らめて、そっぽ向くツッキーはたまらなく可愛かった。そして、美味しそうだった。
「てか……あんな愛の告白、こっちが恥ずかしいんだけど」
「ツッ、ツッキー聞いてたの?!」
「聞こえてた。それに、何、あの手紙」
「あうぅ……」
「なんか、ごめん。そんなに怒ることじゃなかったって思う。僕も子供っぽかった」
「そっ、そんなの……!」
「ちょっと遅くなったけど……僕も山口のこと、ずっと、好き、だった」
「えっ……?じゃあ、好きな子って……?」
「お前。」
「ええええええええ?!」
両想いって、こんなにふわふわするものなのか。実感がわからない。
「冷たい態度とった代わりに……なんか好きなことしていいよ」
「えっ、……いいの?」
「誰もいないし。ただしハードなのはダメ」
「う……んっと、じゃあ。ひかないで欲しいんだけど、ツッキーのこと……噛んでもいい?」
「……はっ?」
「あうぅ……やっぱ忘れて!」
「……いいよ」
「……えっ?」
ツッキーはTシャツの襟を引き伸ばしてニヤリとした。
その仕草はとてつもなく、えっちだった……。
ぺろ。
「ひゃあ?!おまっ、噛むんじゃないの……?」
「いきなりは気が引ける……」
「そんなの今更でしょ」
白い首筋に、歯をたてた。
「イッ……」
「わ、ご、ごめん!大丈夫……?!」
「いいから。続けて」
薬のせいかな。ツッキーも変になってるみたいだ。
噛んで、舐めて、吸って、もうめちゃくちゃだ。
「……満足した?」
「う、うん……」
「それにしても、どうすんのこの跡」
「うっ……」
「痛いし」
「ごめん……」
「まぁ、でも。お前に愛されてるって証拠」
「……?!」
「お前のせいで僕までおかしくなったみたいだ。責任取ってよね」
「……!!うんっ!ツッキーは、俺が絶対、幸せにする!」
やっぱり、俺はツッキーが大好きだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。